元教員が挙げる、起きるたび感じる教員による個人情報紛失事件をめぐる3つの違和感

投稿者: | 2017年2月1日

相次ぐ教員による児童・生徒の個人情報の入ったUSB紛失(盗難も含む)事件。

以下は今年度、大手新聞社が報じたものだけに限りますが、それでもこれだけあります。

岡山市立中の53歳教諭がUSBメモリー紛失(出典:産経新聞2016年4月12日)
大阪の支援学校で355人分個人情報入りのUSB紛失(出典:産経新聞2016年7月5日)
高槻市立小講師が児童の個人情報紛失(出典:産経新聞2016年10月3日)
生徒千人分の個人情報紛失 大阪の中学教諭(出典:産経新聞2016年11月1日)
特別支援学校で個人情報を紛失(出典:神奈川新聞2016年12月10日)
堺の中学で車上荒らし 個人情報盗難(出典:産経新聞(2016年12月13日)
USBメモリー紛失千葉市教委、男性教諭を減給処分(出典:産経新聞2016年12月30日)
高槻の中学教諭、メモリーを紛失テスト結果など保存(出典:毎日新聞2017年1月17日)

私の小学校教員時代にも勤務校で紛失があり、その際は新聞報道はなかったものの、緊急保護者会と関係者の処分、職員の研修等が行われたことがありました。

このような教員による個人情報の紛失事件が起こるたびに、私は違和感を覚えます。

今回は、元公立小学校教員が挙げる、「起きるたび感じる教員による個人情報紛失事件をめぐる3つの違和感」です。

 

1.残業しても終わらない仕事量

まず、そもそも教員はなぜUSB等個人情報を持ち出すのでしょうか。

民間企業でこのような個人情報の紛失(流出)が起きる場合、大抵は不正アクセスや販売目的による流出ですが、教員の場合ほとんどのケースでそうではありません。

「仕事を終わらせるため」に学校から持ち出してUSB等に入った個人情報を紛失するケースがほとんどです。

確かに、上記記事の多くの事件にあるように持ち出しルールに従っていなかったり、持ち出し後の管理が甘かったりした点では教員に落ち度があります。

しかし、彼らは故意により流出させようとしているわけではないのです。

もちろん、故意でなければ良いと言っているわけではありません。

しかし、勤務時間内どころか残業しても終わらない仕事量を与える教育委員会や学校長により問題があるのではないかというのが私の違和感です。

 

2.形だけのUSB持ち出しルールを設定している自治体も

私が勤務していた自治体の教育委員会が定めたUSBを持ち出す際のルールは、「管理職の許可が必要でかつ個人情報が入っていない場合」でした。

しかし、個人情報の入らない情報の持ち出しの場合、メールで良いわけですから、USBなど不要です。

これはどういうことかというと、教育委員会お得意の「形式だけの対応」であり、自分たちの保身のためのルールなのです。

USBを紛失しても個人情報は入っていなければ問題にならないし、個人情報が入っていればルールを遵守しなかったと一教員の責任にすることができるのです。

根本的な原因である「勤務時間内に終わらない仕事量」を改善せず、無意味かつ保身のためのルールを設定し、負担も責任も一教員にすべて負わす教育委員会のやり方に違和感を感じます。

 

3.少ないならまだ毎回申告もできるが・・・

私の勤務した自治体では、個人情報が入っていても、(なぜか)紙媒体での持ち出しは管理職の許可を受ければOKとなっていました。

例えば、テストの採点やワークシートの添削などがそれにあたります。

しかしこれも回数が少なければその都度管理職に申請すれば良いのでしょうが、下手をしたら毎日必要がある場合もあります。

管理職も出張などで常に校内にいるわけでもないし、校内にいても会議や保護者との面談等でつかまらないことが多いです。

結果、現場ではいちいち許可をとっていられず、多くの教員が無許可で自己判断のもとにテストやワークシートを持ち帰り仕事をすることになるのです。

そして、一部の教員が紛失や盗難に遭う・・・と。

確かにルール通りに許可を取らずに勝手に個人情報を持ち出し、紛失する教員が悪いのは否定しません。

しかし、

  • 明らかに勤務時間内に終わらない業務量を与えられ、
  • 意味のないUSB持ち出しルールを設定され、
  • それでも子どもたちのために自宅に帰ってまでも無償で仕事をしようとする、

彼ら教員だけが責任を取らされるのはおかしい、これが私の違和感です。

 

★まとめ

このような事件報道を見るたびに、教員だけに責任を取らせ、処分を下す教育委員会に対し、大きな違和感と怒りを感じます。

責任は教育委員会、学校長にもあるだろう、と思うのです。

自宅に持ち帰らないと終わらないような業務量を教員に課しているわけですから。

本来、このような個人情報流出の事件が起きたときに教育委員会が最も力を入れなくてはならない対応は、教員にだけ責任を取らせたり、研修を行ったりすることではなく、「勤務時間内に収まるよう仕事量の改善を図ること」であると私は考えます。

そのようにすれば教員は外部に個人情報を持ち出す必要がなくなるわけですから、圧倒的に流出のリスクが下がるはずです。

以上、元公立小学校教員トウワマコトによる、「起きるたび感じる教員による個人情報紛失事件をめぐる3つの違和感」でした!

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