元教員が教える、担任が「発達障害の疑い」を積極的に伝えようと思う親~5選~

前回の記事で、下手に「発達障害の疑い」を伝えると親に逆上されて攻撃されるリスクがあるため、担任が親に発達障害の疑いありと伝えることについて自重気味にならざるを得ない状況であることをお伝えしました。

もちろん、障害の重度や置かれた状況等によりケースバイケースではあるし、本来は相手がどんな親であろうと伝えなくてはいけません。

しかし、攻撃されるようなリスクを負ってまで(しかも伝えたところで給料も変わらない)、伝える担任は今、少ないのが実情です。

が、担任を攻撃する気など更々ない親にとっては、「本当のこと」を知らせてほしいのではないでしょうか。

であれば、簡単です。

“まっとうな”親であれば良いのです。

担任は、親の態度、ふるまい、教育への関わり方などからその親が”まっとう”かどうか判断します。

今回は、このような親であれば、担任が積極的に「発達障害の疑い」を伝えようと思うという親についてまとめました。

1.普段からまともな親

まず、普段からまともな人です。

前述したとおり、担任は保護者から攻撃されることを非常に恐れています。

普段から、

  • 連絡帳の書き方が失礼
  • 提出物を期限までに出さないことが多い
  • 個人面談を連絡なしでドタキャンする
  • 学習に必要なものを子どもに持たせない
  • 子どもの教育に無関心
  • 子ども同士のケンカへの反応等で感情的になる
  • 学校に理不尽なクレームを入れてくる

このような親には、担任は積極的には伝えようとは思いません。

明らかに逆上されて攻撃されるリスクが高いからです。

じゃあどうすればよいのか。

特別なことをする必要はありません。

提出物を期限内に出したり、子どもの持ち物を用意したりなど普段からコツコツと常識的にしていれば何も問題ありません。

2.話をきちんと聞ける親

話をきちんと聞ける人というのは、2つ意味があります。

  1. 聞く姿勢がある人
  2. 理解力がある人

1.に関していえば、発達障害云々関係なく、自分の子育てが否定された気持ちになるからか、我が子かわいさになのか分かりませんが、なかには自分の子どものネガティブな話を一切受け入れない親もいます。

あるいは話を受け入れないのは、担任のことをよく思っていないからなのかもしれませんが、いずれにしろ、こちらの話を聞く気のない親にいくら熱心に伝えようとしても徒労に終わるのは目に見えていますので担任は積極的に伝えようとは思いません。

一方、こちらの話を全て肯定的にとらえる必要はないものの、ある程度は話を聞いてもらえる(そして受け止める器がある)親には、担任も伝えようとします。

2.に関していえば、特別教育について知識を求めているわけではありません。どんなにかみ砕いて話しても、論理的(合理的)な思考ができない方もなかにはいらっしゃいます。常識的な範囲で日本語の理解力があれば問題はありません。

3.自分ファーストではなく、子どもファーストな親

昨今、子どものことより、私・私、という自分ファーストな親が目立ちます。

授業参観で、おしゃべりに興じて授業妨害する親が典型的な例です。

こういう親は、もし仮に子どもに発達障害の疑いがあると担任から聞こうものなら、帰宅後、「あんたが学校でちゃんとしてないから先生にこんなこと言われなきゃならないんでしょ!」などど子どもに当たり散らす可能性があります。

これでは子どもが可哀想なだけです。

このような例に限らず、自分ファーストな親は、伝えたところできちんと対応してくれるのか怪しいところがあります。

一方、普段から自分ファーストではなく、「子どもファースト」で子育てをしている親は、きちんと伝われば、しっかりと対応する可能性が高いので担任も積極的に伝えようと思うのです。

「子どもファースト」で子育てしているかどうか、それは様々な形で担任に届きますので、普段からきちんと子育てしていれば何も問題はありません。

4.人としての最低限の敬意がある親

仕事とはいえ、担任にとって発達障害の疑いを伝えたからといって、評価が上がるわけでも給料が増えるわけでもありません。

使命感でもって、子ども(と親)のために伝えようとするのです。

それなのに、人として最低限の敬意さえ払わない人に、わざわざ攻撃されるリスクまで冒して伝えようとするでしょうか。

するわけがありません。

何も特別に尊敬しろということではありません。

最低限の敬意、会ったときはきちんと挨拶するとか、担任批判を子どもに直接しないとか、何か特別してもらったら感謝を伝えるとか、そんな程度のことです。

昨今、教員を見下している、あるいは消費者意識で学校に相対する親も多いので、このような人として最低限の敬意さえもち合わせていない親がちらほらみられます。

人として最低限の敬意を払う、常識のある方なら既にそうされていると思います。

5.信頼関係が築けた親

これについては、保護者だけでなく、当然担任の努力も必要です。

しかし親の方も、何かしてもらったときに担任に感謝を伝えたり、自分の子どもが迷惑をかけたときに謝ったりする等、できることはあります。

特別なことは必要ありません。

過度に担任を持ち上げたりヨイショする必要もまったくありません。(なかにはそういう親もいますが、逆に怪しまれます)

お互いに少しづつ信頼関係を築いていき、担任にとって、「この親なら大丈夫だな」という信頼関係が築けたときに初めて、では伝えるか、ということになります。

★まとめ

今回、「発達障害の疑い」を伝えるかというテーマでまとめましたが、これはそれだけに限らず、「親にとって耳の痛い話」でも同様のことがいえます。

話を聞いたその時は、耳が痛いかもしれませんが、長期的に考えたら本当のことを教えてもらった方が絶対に子どものためになります。

しかし、この親は話を聞く気がない、受け止める器がないと担任に判断されると、社交辞令的に子どもの長所だけを話されておしまいです。

担任は親の態度、ふるまい、教育への関わり方を注意深く見ています。

特段構える必要はありません。上記の内容が参考になれば幸いです。

(※念のために記載しておきますが、担任が可能なのはあくまでも発達障害の「疑い」のレベルを伝えるまでであって、発達障害の診断を下すのは医師です)

以上、元公立小学校教員トウワマコトによる、「担任が『発達障害の疑い』を積極的に伝えようと思う親~5選~」でした!

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