元教員が挙げる、教員が望むささやかな願い5つ

休職者が年間5000人、自殺者も10年で20人出ている公立学校。

休職教員6割 15年度公立校、また5000人超え(出典:毎日新聞2016年12月23日)
新人教員、10年間で少なくとも20人が自殺(出典:NHK2016年12月23日)

今、教員の労働環境はものすごく過酷です。

今回は、私が教員時代に願っていたこと、周りの教員が今が練っていることのなかから、ささやかな願いを5つ選んでまとめました。

1.土日(週2日)休ませて

土日(あるいは週2日)休ませてほしい、これは教員の切実の願いであり、ささやかな願いです。

現状、形式的には休日になっていても、部活動や地域・PTAのイベントに駆り出されたり、通知表など明らかに勤務時間には終わらない仕事のために休日出勤をしたりしなくてはなりません。

また、土曜授業が復活している自治体もあります。

健康のために、家族のために土日休ませて(あげて)ください。

2.休憩時間ください

休憩時間、本来これは「ください」とお願いするものではなく、労働基準法という法律で定められている労働者の権利です。

しかし、給食指導・掃除指導時間に休憩時間があてられていたり、会議が組み込まれていたりして、休憩時間という概念のない学校が多いのが実情です。

子どもには決まりを守れというくせに、自分たち(管理職)は守らない。

おかしくないですか。

法律、遵守してくだい。

3.余計な調査はやめて子どもに向き合わせてください

学校現場、本当に余計で形式的な調査が多いです。

調査実施、集計、報告と私も教員時代、そればっかりやっていた気がします。

文科省の調査でも教員が最も負担を感じる業務が「調査」であると出ています。

負担に感じている業務としては、副校長・教頭、教諭の8割以上が「国や教育委員会からの調査やアンケートへの対応」と回答。
(出典:文部科学省「学校現場における業務改善のためのガイドラインの公表について」

これらの調査はそのほとんどが議会対策ですが、この状況は子どもより議会を重視しているという本末転倒な状況であると言わざるを得ません。

いい加減、余計な調査などやめて、子どもに向き合わせて(あげて)ください。

4.授業の準備させてください

教育系の北海道教育大・愛知教育大・東京学芸大・大阪教育大の4大学が行った調査によると、8割もの教員が「授業の準備時間が足りない」と回答しています。

「授業準備、時間足りぬ」8割 小中高教員5373人回答(出典:毎日新聞2016年7月25日)

これでは良い授業が出来るわけもないし、当然子どもが受ける教育の質も低いものになります。

仕事の総量を減らして、授業準備の時間、確保して(あげて)ください。

5.免許更新か年次研修片方にして

今10年目の教員は、経緯は省きますが政治上のゴタゴタにより、

  • 免許更新(休日等の勤務外に大学で行われる)
  • 10年次研修(勤務時間内に行われる自治体の研修)

の2つの研修を受けなくてなりません。

そうでなくても忙しいのに、厳しいです。

しっかりと子どもたちに向き合えるよう片方だけにして(あげて)ください。

★まとめ

本当は他にもたくさんの願いがありますが、今回は「せめてこの程度は」というささやかな願いをまとめました。

文科省、教育委員会、学校管理職、現場の教員、保護者、そして世の中の声の力によって、これらの願いが早く実現されることを望みます。

以上、元公立小学校教員トウワマコトによる、「元教員が挙げる、現場の教員が望むささやかな願い5つ」でした!

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