都教委から解雇+免許をはく奪(分限免職)をされた養護教諭が裁判で争っている件について

9月24日、都教委から分限免職(解雇+免許はく奪)を受けた養護教諭が訴訟を起こしているということを知ったので、東京地裁まで取材に行ってきました。

本記事では、都教委が養護教諭本人に出した分限理由と、養護教諭の裁判での主張を取り上げます。

◆都教委による分限処分の理由(一部抜粋)

全文はあまりに長いので本記事では、その一部を抜粋します。なお、全文はこちらのPDFでお読みいただけます。

・平成28年4月21日午後4時30分頃、上記の者(当該原告養護教諭)は、健康診断について養護教諭3名で打合せをしたいと他の養護教諭から提案を受けたが、翌日遠足の引率があるため早く帰宅したい、体調不良である、と主張し何度も断った。その後、保健室に向かったが、保健室の入り口で他の養護教諭から普段から打合せをしないことについて指摘されたことで口論となった。上記の者は同校副校長から保健主任として健康診断に主体的に対応し、全体計画を提示し、進行方法や養護教諭間の役割等を明確にするよう指導を受け、承諾したものの、指導を無視し打合せを行わないまま、午後4時45分になると退勤した。

・平成28年6月3日午後0時40分頃、同校第2学年担任は、担任する児童の具合が悪いため、児童を保健室に行かせたが、その後何も連絡がなく、教室に戻ってこないため、保健室に行ったところ、上記の者は具合の悪い児童の対応をせず同児童を椅子に座らせたまま、給食を食べていた。上記の者は、同副校長に(中略)何よりも児童の健康、保健を優先するよう指導を受けたが、その後も改善がなかった。

・平成28年9月1日、上記の者は、東京都教育委員会管理主事による保健委員会における授業観察において、内容を児童に説明する際に、児童を見ずに手元や黒板を見ながら話しをし、説明の最中に児童が私語をしていても、注意することなく話し続けていた。

・平成28年12月1日午後2時30分頃、上記の者は東京都教育委員会の管理主事2名、練馬区教育委員会担当者2名、校長、同副校長同席の話し合いにおいて、養護教諭の仕事は何かと質問された際、汚物処理の大変さについて力説し、的確な回答をしなかった。

・平成29年12月11日午後1時45分頃、上記の者は、転んだと訴える女子児童が来室した際、同女子児童の膝の怪我をして赤くなっている部分とずれたところに湿布を貼り、児童と目も合わせることなく笑顔もなかった。

・平成29年12月27日、上記の者(当該原告養護教諭)は、陶器休業日の日直であったため、外部からの電話に対応した際、学校名しか伝えあかったため、同副校長から氏名も名乗るように指導を受けた。その直後、上記の者は、再び外部からの電話に対応した際、学校名しか伝えなかったため、再度同副校長から指導を受けたが、その後の電話への対応が改善しなかった。

・上記のことは、当該職員の簡単に矯正することのできない持続性を有する素質、能力、性格等に基因し てその職務の円滑な遂行に支障があり、又は支障を生ずる高度の蓋然性が認められるものであり、公務員として、その職に必要な適格性を欠くものである。よって、上記の処分を行うものである。

◆原告養護教諭の訴状(一部抜粋)

都教委の処分に対し、原告側がその取り消しを求めたのがこの裁判の概要です。以下は、訴状の一部です。

・本件処分説明書記載の事実は、詳細で多岐にわたっている。共通しているのは、原告が同僚との関係が悪かったこと、校長や副校長の指示に従わなかったこと、研修に応じようとしなかったこと、児童とうまくコミュニケーションが取れなかったこと、などである。しかし、それらは、歪曲や誇張に満ちている。すなわち、原告は、同僚である先輩の養護教諭からは打ち合わせや挨拶を強要されるなど嫌がらせを受けていた。

・校長や副校長の指示も、嘔吐物処理による感染症防止のための重要性や困難さなどを理解していないなど、現場にそぐわないものも少なくなかった。(中略)児童との関係については、研修センターに送られて週1回の学校勤務では、児童を覚えたり仲良くなったりすることも困難であった。

★まとめ

都教委からの処分理由を読むと、当該養護教諭が何か大きな不祥事を起こしたり、児童の健康に関して致命的な間違いを犯したというものではなく、非常に細かな理由がつらつらと書き連ねてあることが分かります。

なかには、普段授業を行わない保健の先生の授業力についてだったり、電話応対の仕方だったりまでがその理由に入っています。

原告側は、このような理由において、解雇+免許取り上げについて不当であると訴えているようです。

今後の公判では、原告側がこの都教委の処分理由に対して、具体的に反論していくものと思われます。

次回は、10月29日(火)10時45分から東京地裁611法廷にて行われるとのことです。

埼玉超勤裁判同様、こちらの裁判についても引き続き動向を見ていこうと思います。

◆書籍のお知らせ