元教員が挙げる、土曜授業を今すぐやめるべき5つの理由

自治体によって頻度や内容に差がありますが、土曜授業が復活しつつあります。

しかし元公立小学校教員の私は、土曜授業復活にはデメリットの方が多いと感じています。

今回は、その理由を「土曜授業を今すぐやめるべき5つの理由」でまとめました。

 

1.土曜は子どもの集中力が急落する

子どもたちは月~金まで5日間、毎日5~6時間の授業を受けています。

そのなかには苦手な授業もあれば、人間関係もあります。

大人に比べ元気な子どもたちでも、言うまでもなく疲れはたまります。人間、疲れが出れば体力も集中力も当然低下します。

結果(私の教員時代の経験では)、土曜授業の子どもたちの学習効率は、普段より明らかに低かったです。

また、翌週は更に低くなります。急落です。

そりゃあそうです。休みが日曜だけで中1日しかなく、登校しなきゃならないからです。

2.教員が授業の準備をできない=子どもに質の低い授業を受けさせることになる

教員は普段もなかなか授業の準備を行う時間がありません。

しかし、土曜授業の週は土曜(休日ですが)も準備に充てられなくなるので更に拍車をかけて準備時間が減ります。また、金曜までに土曜授業の準備も必要になります。

教員が授業の準備ができないということは、質の低い授業をせざるを得なくなることを意味しています。

そんな授業が子どもたちの良い学習につながるでしょうか。

でも昔は普通に土曜授業がありましたよね?という方もおられます。しかし、今の教員は暇な昔とは比較にならない程の業務量があるのです。

3.教員は実質週6日勤務になる

教員も労働者です。ですから土曜授業で勤務すれば、振り替えが貰えます。

しかし、一般の労働者と違って、平日のいつに振り替えられるのでしょうか。

平日は授業があります。子どもたちが登校します。

ですから結局振り替えを行使できるのは夏休みなどの長期休業中になります。

正直、私は週6日で働いて夏休みに1日(実際には数日)多く休むより、週5日勤務の方が良かったです。疲れているときに休めたり、(休日だが)授業の準備ができたりするからです。

話を元に戻すと、土曜授業を行うと結局、教員は実質週6日勤務になってしまうということです。

子どもたちと同じで、教員も人間ですから、当然疲れが出るし、体力・集中力も落ちます。翌週は尚更です。こんな状態で子どもの指導にあたることが良いとは思えません。

4.子どもが疲弊した状態で授業参観に臨む

土曜授業を振り替え休日なしで授業参観(学校公開)に充てる自治体もあります。

私は上記の通り、土曜は子どもたちも教員も疲弊しているので、これには大反対です。

その日だけ見た親が子どもを過度に心配したり、いつもちゃんとやっているのかと子どもや教員を責め立てることがあるからです。

確かに、土曜の授業参観は保護者(特に父親)が来校しやすいという良い面もあります。

ですから土曜授業を行うのであれば、きちんと翌週月曜に振り替え休日を設定すべきです。

私が問題視しているのは、土曜授業ありきで、毎月振り替え休日なしで実施することです。せめて振り替え休日があれば、子どもたちも頑張れます。

土曜の授業参観は、土曜授業ありきではなく、土曜参観が先にあっての振り替え休日を設定すべきです。

5.土日くらい子どもは家族や地域で過ごすべき

完全に私見ですが、休日くらい子どもたちは家庭や地域で過ごすべきではないでしょうか。

家族で出掛けても良し、友達と遊ぶのも良し、習い事をするのも良し、ゴロゴロ過ごすのも良し。

子どもたちが休日に疲れをとったり、学校以外の世界を知ることも大切です。

担任時代の私の経験でいえば、家族でのレジャーや塾通いなどを理由に土曜日は欠席させる家庭も少数ながらいました。ですから、学校では授業を先に進めることもできず、困ったこともありました。しかし私は彼らを責める気持ちにはなれませんでした。その家庭にとっては貴重な休日なのかもしれないのですから。

・・・というわけで、土曜日は休みにしましょう。

★まとめ

いかがでしたか。

私は、子どもたちには長い時間学習させることが大切なのではなく、効率良く集中して学習させることが大切だと考えます。

以上、元公立小学校教員トウワマコトによる、「元教員が挙げる、土曜授業を今すぐやめるべき5つの理由」でした!

関連記事:元教員が挙げる、今すぐICT化して教員の負担軽減を図るべき5つの学校業務

コメント

  1. シオドア より:

    これは土曜授業だけでなく、夏休み短縮にも言えることです。結局学校の休み削ることは、児童生徒も教員も休みが削られるということですから。