教職研修4月号(教育開発研究所)が素晴らしい特集を組んでいます。
「やめる」「減らす」「変える」で始める校務改善。
これ、間違いなく今の学校現場に最も必要なことです。
◆目次
他の特集もありますが、今回は『特集1「やめる」「減らす」「変える」で始める校務改善』を取り上げます。
目次です。5人の著者がそれぞれ校務改善について提言を行っています。
◆校務改善は、まず校長の決断から始まる
ここの頁では高知県教育センター・若手教員研修アドバイザーで前東京都公立小学校長の西留安雄氏が、学校に、個々の教師にゆとりをつくって、子どもと過ごす時間を確保することの大切さを述べています。
学校の常識にとらわずに改善を行うこと、校長の改革への決意・覚悟が必要なこと等が書かれています。
なかでも私が素晴らしいと感じた箇所は、
私が実際に校務改善に取り組んだ際には、「改革・開発・簡素の3K」をまず示しました。
3Kの「簡素」が大事です。学習発表会は全校一斉に行うのではなく、分散させた結果、簡素な行事となり、ゆとりが生まれました。
というところです。
この他にも、西留氏が校長先生時代にされてきた学校改革の経験が書かれているので、説得力があります。
私も教員時代、こういう校長先生のもとで働きたかったです。
◆「やめる」「減らす」「変える」で学校での働き方を見直す
ここの頁では、岩手県の小学校副校長・佐藤正寿氏が、働き方、仕事の仕方を見直すことで改善が図られると述べています。
特に私が共感したのが、「会議の持ち方」についてです。
①遅れる教員がいても、決められた時間に会議を始めることを、事前に予告しておく。
説明が2度手間になるからといって、待つ文化。ただでさえ忙しいのに、本当時間の無駄です。
②事前に資料を各自が読んでいるという前提で始める
その場で配られて、「では読む時間を〇分取ります」とかよくありますが、これも時間の無駄です。
③会議での提案は、要点を絞った内容とするよう徹底させる
提案文書を1から10まで全て読む人いますが、そんなの読めば分かるよ!って感じです。
また、佐藤氏は管理職の仕事ぶりは後輩が見ているとし、管理職自身が率先して効率的に仕事をしなければならないとしています。
私が教員時代に出会った副校長(教頭)、本当に事務処理の遅いポンコツしかいなかったので、彼らに読ませたい内容です。
◆「やめる」「減らす」「変える」で校務を具体的に見直す
ここの頁では、元熊本県中学校長の大野氏が、学校行事の改革や会議の削減の提案を行っています。
また、部活動について、
週1日以上の休息日を設ける必要がある
とし、校長先生時代には生徒の技術向上と教職員の負担軽減のために、
全部活動で、地域の外部指導者を採用した
とのことです。
ここまでは素晴らしいと思ったのですが、
部活動は学校教育の一環であることを考慮するならば、部活動の主導権は教職員であってほしいし、部活動の時間は少なくとも生徒と同じ空間にいてほしいと願っている
については、私は違うなと思いました。それでは(教員の多忙化解消のためには)外部指導者を採用する意味があまりないと思うからです。
ぜひ全文読んでご判断ください。
◆民間企業出身の元教員が問う!減らせる校務10選
手前味噌ですみません。私が書いた記事です。
教職研修4月号、『「やめる」「減らす」「変える」で始める校務改善』に寄稿しました。
「民間企業出身の元教員が問う!減らせる校務10選」東和誠です。教員が本来行うべき仕事に集中するための提言を書きました。
よろしければぜひ!https://t.co/I55PUKEubV pic.twitter.com/Ca6zfXghTv— トウマコ (@makoto_touwa) 2017年3月19日
冒頭部分のみになりますが、こんな感じです。
この他にも、連絡帳アプリの導入や校内研の見直し等についても提言しています。
★「校務改善」を支援する
ここの頁では、学校マネジメントコンサルタントで文部科学省業務改善アドバイザーの妹尾昌俊氏が、教員の負担を減らす4つの提案・実績を書かれています。
特に私が感銘を受けたのが、校務支援システムを用いた勤怠管理、学校閉庁日・夜間留守電の設定、教師業務アシスタントの活用などです。
なかでも教師業務アシスタントの活用では、岡山県の事例を紹介しています。
業務は、授業準備、資料作成・印刷、学校行事・会議等の準備、会計処理、教室等の環境整備、調査統計・データ入力など多岐にわたる
これは素晴らしい。教員が本来の仕事に集中できます。
成果についても書かれています。
アシスタント導入後、子どもと向き合う時間が保障され、計画的な授業準備や教材研究に充てる時間が増えたという。職員の退庁時刻にも変化が生じている。
これ、全国に広めるべきです!
妹尾氏の記事、必読です!
★まとめ
冒頭にも述べたとおり、「やめる」「減らす」「変える」、間違いなく今の学校現場に最も必要なことです。
この雑誌、主な購読(ターゲット)層は学校管理職なので、彼らに向けた文章になっていますが、学校管理職以外の教職員にとってもとても勉強になる内容となっています。
ぜひご一読いただければと思います。
教職研修 2017年 04月号[雑誌](Amazon)
以上、元公立小学校教員トウワマコトによる、「教職研修4月号『「やめる」「減らす」「変える」で始める校務改善』が素晴らしい!」でした!