We Are Reds !! We Are Reds !!
ということで、裁判は、サッカーの浦和レッズで有名な浦和にある、埼玉地裁で行われました。
(サッカーの話を出したのには理由があります。それは後ほど)
◆意見陳述
12/14金曜日、後から振り返ってこれが日本教育界の転換の始まりだった、そう言われるかもしれない裁判が始まりました。
田中先生(仮名)の意見陳述は、30分ほどで終了しました。
全文は、こちらの記事でお読みください。
埼玉県内の市立小学校の男性教員(59)が、県に残業代を求めた裁判が始まりました。男性は意見陳述で「教員の仕事を明確にし、残業に対してはきちんと残業代を支給し、労働時間を減らす方向に持っていくことが、求められている」と訴えました
— 弁護士ドットコムニュース (@bengo4topics) 2018年12月14日
◆ポイント
私からは、キーポイントを整理します。
田中先生の主張は、ご自身の38年の教員経験を学校行政の歴史と重ねながら、
- 教員の無賃残業をなくしたい
- これまで経験してきた理不尽なことを若い人たちに引き継いではいけない
- 時間外労働は自主的な活動ではなく間違いなく勤務。選択の自由があるようでない
- 残業に対してはきちんと残業代を支給し、労働時間を減らす方向に持っていくこと必要
というものでした。
そして最後に(弁護士ドットコムニュースでは触れられていませんが)プロジェクターに映して、
- 勤務時間内で終わらない仕事を命じることは、時間外勤務を命じることと同じ
と述べられました。
※裁判中は撮影禁止なのでこのプロジェクター用の資料は、裁判後に撮らせていただきました
◆記者会見
第1回口頭陳述が終わり、裁判所の外で即席記者会見が始まりました。
記者に混じり私も参加したので、ここに記録します。
Q.周りの先生方の反応は?【記者】
A.応援してくれているのはポツポツ。職員室の先生たちは黙っている。また、忙しすぎてそれ(裁判)すら知らない人も沢山いる。【田中先生】
Q.県側が争う姿勢を示したことについてどう思うか?【記者】
A.裁判に勝つ・負けるではなくて、みんなに知ってほしい。公務員で教員だけが残業代が支払われていない。【田中先生】
私も産経新聞の記者の方にインタビューされました。
傍聴していた元小学校教員の東和誠さんは「(原告の男性教員と)思いは一緒。残業代なしで働かされている現状を世の中に知ってもらう大きな一歩だ」と強調した。
(出典:産経新聞「埼玉教員残業代訴訟 「義務ない」、県は争う姿勢」 2018年12月15日)
◆田中先生を応援しよう!
冒頭にサッカーの話をしました。浦和レッズの試合では、スタジアムを埋め尽くした7万人のサポーターが”We Are Reds !!”の大声援で選手を応援します。その応援は、審判の判定に影響を与えるほど、です。
この裁判、田中先生だけで戦わせてはなりません。田中先生曰く、「応援してくれているのはポツポツ」・・・。
みんなでサポートしましょう!
SNSで発信・拡散するのも良いでしょう。
教員なら職員室で話題にするのも良いでしょう。
でも、もっと良い方法があります。
それは、裁判所に傍聴しに行くことです。
裁判所では、サッカーのサポーターのように歌うことはできません。
でも、裁判所に行けばその思いを田中先生に伝えることができます。
世の中に裁判の注目度をアピールすることもできます。
もはや田中先生は、田中先生ではありません。
田中先生は、私たちそのものです。
「自主的である」とキリのない無賃残業を強制されてきた、私たちそのものなのです。
裁判中は声は出せないけれど、応援しましょう。
we are Tanaka!!と。
次回は、2/22(金)10:00〜埼玉地裁です。
※なお、私は浦和レッズのファンではありません
コメント
田中先生の熱い想いに奮い立たされました。
超勤4項目は、時間外にやらざるを得なくなる仕事そのもののを命じることを禁止、その通りです。
「体罰ゆるゆる、飲酒運転ゆるゆる、法令遵守ってなにそれ?」の時代なら、曖昧な中で、良くも悪くも色々やっていました。
ちゃんとしろっていう現代だけに、こういうことこそちゃんとすべきです。争う埼玉県。その姿勢を表したことだけでも、多くの同僚達のモチベーションを奪ってしまいましたね。百万ケチってその何十倍もの経済損失でしょうね。
>現場教師様
本当そうだと思います。
このコンプライス遵守が常識の時代に、明らかに残業が出る量の仕事を指示しておきながら、「教師が自主的にやっているだけ」というのは、もう通用しないし、通用させちゃいけないと思います。
新たな予算が組めないなら、仕事量を勤務時間内に終了する量まで減らせば良いだけですし。