【全文文字起こしあり】文科省の教員残業時間3割減の数字は偽装工作だった

3月24日に行われた参院文教科学委員会。

そこで共産党の吉良よし子議員から、文科省やあべ文科大臣に教員勤務実態調査についての質問が行われ、文科省が宣伝している『残業時間3割減』が不当な算出方法によって出された数字であることが判明しました。

不当な算出方法①8月を2か月分として算出

文科省・望月局長

「教師の年間を通した平均の時間外在高等時間の推計にあたりましては、10月11月調査の結果からこれを通常期としまして、8月の調査いわゆる夏季休業の結果からこれを休業期の時間外在校等時間と算出した上で、通常期が年間10ヶ月。そして休業期が年間2ヶ月あると仮定して算出をしているところでございます」

答弁によると、夏休みである8月を2か月分として算出したそうです。

吉良議員は「春休みはむしろ残業時間が増える時期」と指摘していて、その通りだなと私も思いますが、8月と同様として算出したそうです。

ちなみに、8月の残業時間として算出されているのはたった48分です。

不当な算出方法②休憩時間を差し引いて算出

文科省・望月局長

「休憩時間につきましては、令和4年度の教員勤務実態調査から新たに1分単位の出勤時刻から取得した休憩時間を新たに調査してございまして、当該休憩時間を現じてるところでございます」

3割減というのは、2016年調査の勤務実態調査と比較して2022年調査では3割減としていたのですが、2016年調査では休憩時間を勘案していなかったにもかかわらず、2022年調査では休憩時間を考慮に入れて、休憩時間を差し引いた時間を残業時間として算出したというのです。

比較対象の条件が違うのに、「3割減!!」というのは、偽装工作と言って差し支えないレベルではないでしょうか。

自民党・文科省の方針の根拠だった「3割減」

他党が教師にも残業代をつける法改正を主張しているなか、それを否定し、政府与党の「これまでの取り組みを加速していく」という方針の根拠は、この偽装工作によって得られた「3割減」だったわけです。

なお、この数字を改め、きちんと比較できる数字を出すべきではないかと吉良議員に指摘されたあべ文科大臣は、

吉良議員がおっしゃるご指摘踏まえてしっかりとあの今も考えてみましたが、今本当に今いる教師の働き方をどうしていくかというこれからが大切なので、新たな推計を行う予定はございません。

という意味不明な答弁をしております。

全文文字起こし

吉良議員

この国会に提出された法案にはそうした長時間労働を減らす新たな策ま抜本的な転換というのは何もないとま政府文科省はこれまでの取り組みを加速していくという立場になっているわけです。しかしそういうこれまでの取り組みを加速という文科省の立場が今問われていると私は思うわけですでこの法案の前提となっているのが中教審になるわけですが、その中教心答申みの成果の1つとして令和4年2022年度の勤務実態調査で時間外在校等時間つまり残業時間が減ったということを挙げているわけです。そして推計値のため参考としての比較である点には必要としつつ月当たりの残業時間がその前の勤務実態調査2016年時点と比べてま減っている6年間で約3割減少したということが言われているわけです。

しかしこの3割限というのは現場の実感からはほど程遠いということが指摘されているわけです例えば元中教心の会長であった小川東大名誉教授らのグループの調査によりますと小学校でも中学校でも残業時間は変わらないもしくは増えたと答えた方が合わせて約6割に登るとま残業減ったという実感などないっていうのが現場の感覚だと思うわけです。

でお配りした資料、ご覧ください文科省の示した中教心投資の考え方という資料にはわざわざグラフまで示してですね3割限だとこう矢印示して強調してでしかもこのまま進めばおずとこう残業時間がその3割限のペースで進んでいくんだとあの残業時間が減っていくんだというような矢印も書かれているわけです。

ここであの文科省のこの推計の中身について私確認していきたいと思うんですけれども、2022年の小学校で約41時間中学校で約58時間というのはどのような数字を用いてどのような計算を行って資産したものなのかま完結にお答えください。

文科省・望月局長

お答えいたします。ご指摘の教師の年間を通した平均の時間外在高等時間の推計にあたりましては10月11月え調査の結果からこれを通常期としまして8月の調査まいわゆる下期休業これこの結果からこれを休業期のこの付当たりの時間外在庫等時間を算出した上でえ通常期が年間10ヶ月あるそしてあの休業機が年間2ヶ月あると仮定して算出をしているところでございます。

そしてあの通常機及び休業機の月当たりの時間外在高等時間の推権は平日土日それぞれの1日あたりの在庫等時間からあ所定の金務時間いわゆる平日は7時45分でございますけどもこれと休憩時間そして調査の回答に用した時間を現じた上でえこの当該時間については平日は20日間20日間え土日は8日間8日間を常時で算出しております。

なお休憩時間につきましては令和4年度の教員勤務実態調査か新たに1分単位の出勤時刻から内に取得した休憩時間を新たに調査してございまして当該休憩時間を現じてるところでございます。

吉良議員

はいまご説明いただいたわけですけれどもま色々あの複雑な計算をされているということが分かったかと思うんですけれども、あの要するに2022年の勤務事態調査では10月と11月期という通常期と8月の休業期というのを分けて調査をしていてそれをこうあの計算したわけだということなんですけどご説明聞いてるとえ8月は休業期だということでその8月期の残業時間を年間で21ヶ月分あるんだと推計して試算をしているとで8月というのはま子供たち夏休みで先生の勤務時間がま最も短い月だと私も思うわけですね。で文科省の調査でもあの計算した結果その8月の残業時間というのは48分だと推計をされているとでそれを年に2ヶ月あるんだということでこの月当たりの残業時間を計算されているということなんですけどこの月の残業時間が48分となるようなそういう月は8月以外に他にあるんですか。

文科省・望月局長

これあの8月調査の結果を休業議と業議としてえ年間2ヶ月分を過程して試産してることにつきましては各期休業期間これは7月の終わりぐから夏休みいわゆるあの子供たちの夏休みが始まるともありますけどもこの下期間を4週間程度そして年末、年始の休業期間を2週間程度年末年度からあの年度にかけての休業期間を2週間程度と大体あの見込みまして2ヶ月を試算してるところでございます。

吉良議員

夏休みと冬休みと春休みということだと思うんですけれどもいやそれこそ今春休み春の休業期なわけですけど今年度代わりで学校の残業時間むしろ最も長い月で僕先生方その年度代わりの新しい年度への準備で本当に毎日忙しい日々を送っているわけでそれが8月と同様の雀業時間って住むっのは私はないと思うんですね。それを2ヶ月分も計上するっていうのはこの残業の実態をわざと短く見せる意図があるのではないかという議念を免得ないと私思うんです。

でもう1点確認したいと思うんです先ほど2022年の勤務実態調査で休憩時間についてを独自に調べたとでその分あのをということであのお話がありましたけどもう1回確認をしたいと思います。この2022年の勤務事態調査で休憩時間調査したその際にこの2022年の月の残業時間の推計をする際この休憩時間は差し引いたということでよろしいですか。

文科省・望月局長

お答えいたします。え勤務え教員勤務実態調査を踏まえました在の線にあたりましてはあ30分単位で最も中心的な業務を1つだけ選ぶという調査法を取ってございます。

このため30分単位でその時間にえ主に休憩してる場合には休憩時間として把握できますけども正確な休憩時間を把握することが難しいという方にございました。このためより制度の高い調査にしてはしっかり教師の方々が休憩時間を取ってるかどうかということについてえ正確に把握するために令和4年度の調査からあ休憩時間につきましては新たに1分単位でえ出勤時刻から退金時刻内に取得した休憩時間を調査をしてございまして令和4年度教員え勤務事態調査を踏まえたあ年間を通じた平均の時間あ時間外在庫等時間の推計当たりましはその休憩時間を現じているとダブル監督はしてないというとこでございます。

吉良議員

比較をする上で推計値1ヶ月あたりの残業時間を推計にたってこの休憩時間を差し引いているというご答弁だったわけです。で一方です2016年度この比較対象になってる2016年度の勤務実態調査ではどうかというとこの休憩時間の調査というのはしていないはずなんですね。で今回の推計においてこの2016年度の1ヶ月分のえ残業時間を推計するにあたって休憩時間は計上したんですかいかがでしょう。

文科省・望月局長

えちょっと繰り返しになりますけども平成28年度の教員勤務実態調査ではあ30分単位で最も中心的な業務をこれあの令和にもそうしてますけども1つだけ選ぶ方法これをもに把握した休憩時間を現じて年間運平均年間運通じた平均の時間外在庫と時間の推計してございます。

その平成28年度のあの教員勤務自体調査では1分単位の出勤時刻からあ金時刻内に取得した休憩時間というものはこれは調査をしていなかったため年間を通じたえの時間外在等時間の当該休憩時間を現事でなかったというところでございます。

吉良議員

あの端的に答えてくださいつまり2016年度の1月の残業時間を推計するにあたって年の分では休憩時間は差し引いてないとそれでよろしいですか。

文科省・望月局長

分単位の出勤時刻から退勤時刻内に取得した休憩時間とのは調査してませんから、それは現実それは現実ておりません

吉良議員

調査してないから現事ないと一方で2016年は休憩時間を差し引いてなくてそして2022年の方は休憩時間を差し引いた時間にしているこれ不公平方じゃないですか。2022年の方があの長くなるあ短くなる2022年を短くして2026年を長く見せるまこう残業時間が減ったように見せる色決算と言われても仕方がないような推計の仕方をしてるんじゃないのかと。これではまとな比較ではないんじゃないかと思うんですけど大臣いかがですか?この不誠実でいびつな推計値で法案の前提として3割限などいうのはあまりに誇大だと思いませんか?大臣いかがでしょう。

あべ大臣

吉良議員があの本当に美しいお顔で怒ってるのも大変あのよくわかるのですが、今実は私どもはですね可能限り実態に近いものになるようにその時点で把握できるデータをもに可能な範囲で数計をさせていただいておりますこうした。中で令和4年度の教員勤務実態調査の結果をもに推計におきましては30分単位で最も中心的な業務を1つだけ選ぶ調査方法により把握した休憩時間だけでは正確に把握できない1分単位で把握した出勤時間から大金時間内に取得した休憩時間について調査を行わせていただきまして、その結果を踏まえて推計を行ったものでござい現時点で把握してるデータで可能な範囲で推計させていただきました。

吉良議員

可能な範囲で推計されたって言いますけどいやちゃんと正確に比べる比較するっていうのであればですね先ほど申し上げたようなその8月を勝手に2ヶ月分経上するとかもしくは休憩時間を入れたり入れなかったりするとかそういう不正なやり方をせずにですね比較としてあの構成にまある10月11月期だけを休憩時間に比それがやっぱり正確正直なやり方だと私は思うわけです。

であの確認をしたいと思うんですけれども2022年度調査と2016年度調査から休憩時間を差し控ず10月期11月期だけを用いて1ヶ月あたりの時間外在等時間算すればどうなりますか。

望月局長

あくまであの教師の付き当たりの時間外在庫時間についてはその時のえ最も正確なものになるようにえ調査を取ってまして年間を通した推計で結果であるということを前提とした上でえキラのご指摘を踏まご質問を踏まえまして10月11月の調査結果のみを用いてえ推計すればまこれは年間を通した状況というはあの下休業とか当業に入っておりませんので年間を通した状況なりませんが平成28年度についてえ30分単位で最も中心的なえ業務を1つだけ選ぶ調査方法により把握したあ休憩時間を現時で推計すると小学校で約70時間中学校で約94時間となりえさらに令和4年度につきまして仮に令和4年度から新たに把握した1分単位で把握した出勤時刻から退金時刻内に取得した休憩時間ではなく30分単位で最も中心的な業務を1つだけ選ぶ調査法握した休憩時間を現じると仮定した場合には小学校が約56時間中学校は約75時間となるところでございます。

吉良議員

ま先あのその10月11月期だけでねあのご答弁いただいたわけですで小学校で見ればえ2016年で70時間で2022年になってもえ55時間ま56時間ということなんですけれどもまね2016年より2022年の残業時間が少ないのは事実ですよ。しかしこれで計算すれば3割限にはならないんですこの数字で比べてみても2割限文科省の言う3割限実態を反映した数字とは到底言えないんですよ。で2022年といえばまししてやコロナ感染症の影響が続いて例えば学校の行事とか部活動など大きく制限されていてまあのより時間が減る場面があった10月11月期って特にそういう行事のある月ですからね。そういう時期なわけですよ。だからやっぱりねそういった実態3割限なのと言えないのは明らかですし合わせてこの教の長時間勤務の実態比べてみるっていうのであればその教の長時間労働の実態が数字として初めて明らかにされた2006年度の勤務実態調査との比較も必要だと思うんですがこの2006年度の勤務実態調査の10月期で見ると残業時間として報告されているのは小学校で35時間44分中学校で56時間12分一方先ほどあった通り2022年度は小学校で56時間中学校で75時間まむしろ2006年と比べれば2022年は残業時間増えているだから単純に減り続けていますねなんていうそういう話ではないんですよ。あくまであの1つの試算推計だとおっしゃいますけど、改めてこんな3割限なんていう主張は直ちに改めるべきではありませんか?大臣いかがですか。

あべ文科大臣

まずはあのやはり先生方の働き方はこのままではいけないということは多分委員とは同じ意見なんだという風に思っております。今回の数字がちょっと違うではないかっていうご意見をずっといいてるわけでございますが私ども先ほど申し上げましたように可能な限り実態に近いものにさせていただきましてその時点で把握してるデータをもに可能な範囲で推計をいたしました。またあの繰り返しになりますが令和4年の教育教員の勤務実態においては1分単位で把握した出勤時間から退金時間内に取得した休憩時間を調査することにしたので平成28年の調査の結果をもした推計とは推計の方法が異なるという点また教師の年間を含めた月当たりの時間外在等時間についてあくまで推計であるという点を含めえ丁寧に説明してまいりたいという風に考えてるところでございますが文科省としてはいずれにしても土曜平日土日と共に全ての触手で在高当時時間が減少はしてるけれども依前として時間外在等時間が長い教師も多い状況を課題として捉えおりまして働き方改革のさらなる加速化に向けて取り組みを進めていくというこれからの対策をしっかり議論していきたいと思いますのでよろしくお願いします。

吉良議員

これからの対策をしっかり議論していきたいっておっしゃったんですけどねその前提が間違ってるよっていうことを私あのお示ししているところなんです指摘しているところなんです。でしかも今回ね3割限っていう古代な数字を掲げただけじゃないんですよ、お配しした資料を見ていただいた通りこの3割限がそのまま続いていくこと前提にしてこの学校における働い方改革をそのまま進めるっておっしゃってるんですそれじゃダめでしょって言ってるんです。2割限にしかなっていないし2006年と比べたらむしろ増えている状態からどう変えていくかっていう抜本的な転換が求められている中でこんな真やかしの数字で誇大な粉飾決算とも言えるような3割限ということ言葉だけを使ってあの語れ方改革をまともに議論ができると私は到底思えないわけです。

もういよいよ法案審議が衆議院でも始まろうとしているわけですが、法案審議始める前にこの時間外在高等時間残業時間についてちゃんと改めて比較可能な資産数字出し直すべきではありませんか。大臣いかがですか?

あべ文科大臣

えあの委員がおっしゃるご指摘踏まえてあのしっかりとあの今も考えてみましたが今本当に今いる教師の働き方をどうしていくかというこれからが大切なので新たな推計を行う予定はございません。

吉良議員

いやこれからの議論をするために前提が大事だっていうことを言っているわけですその前提の数字が間違っているということを指摘させていただいてます。委員長、この正確な数字の提出を委員会にあの委員会に提出していただくよう求めるものです。

理事会で協議させていただきます

吉良議員
このようないい加減な推計であの働い方改革前に進めるとは到底思えませんし法案の審議もまともにできるとは思えないわけです。改めて多少の処遇改善などではなく労働時間に見合った残業代を払うこと教員増やすことこそが必要だということを申し上げて質問を終わります。