【文字起こし】4月25日②文部科学委員会「1兆円分の残業してるんですよ。過去最高税収80兆円で、国債発行もできるでしょう? 」

Q.大石あきこ議員(れいわ新選組)

この給特法改正の議論につきましては、何度も重要後半ということで行われています。そしてゴールデンウィーク明けまで議論が続くのは良いことだと私は申し上げましたが、なんか集約に向かおうとしているなと。

かつ、この給特法改正自体は、私がずっと申し上げているように、労基法32条の労働時間に該当する労働にもかかわらず、そうではない「労働時間ではないかのような」すり抜けをしていることが根本問題で、それが公立学校の教師を一番苦しめている要因だと言っていました。そこを解決しないような修正案で、ちゃちゃっとして終わろうとしてません? それは許されませんよ。

ちょっとパネルを掲示します。

皆さんのお手元にも配布している資料でもあります。このパネルは前回にも出しました。厚労省に確認済みの、労基法32条のガイドライン──学校の公立学校の先生も労働者であるということで、労基法基本的適用であり、32条適用だということは、もう散々確認してきました。

それは厚労省も文科省も異論はありません。このガイドラインも基本的に適用されているということは、あべ大臣も否定しておりません。

このガイドラインでは、労働者の生活時間──そこが「労働時間なのか」「労働時間でないのか」その2つの概念の中で、労働時間の方──こちらを1日8時間以内、週40時間以内労働というのが、公立学校にも適用されていて。

なのに、労働時間なのにこちらの側の「労働時間ではない」と装って、不払い残業が発生し、先生方を追い詰めているのではないのかという話をしていました。

文科省が、立憲の議員の質問への答弁で、おかしなことを言っていると思いますのでね、それについて正したいと思います。

2021年の埼玉教員超勤訴訟で、それを原告請求棄却とされたということが、残業代を払わなくていいという判決だったという話に持っていっておられますけれども、この裁判、この訴訟については、私も先週も質疑で出していますし、今日午前中に高橋先生参考人も言及されたと記憶しています。

この埼玉教員超勤訴訟は、地裁・高裁いずれも、超勤4項目以外の時間外労働の一部が労基法上の労働時間に当たるということを認めてるんですよ。で、その最後に時間外損害賠償責任について、損害賠償請求は認められないと。それは損害が軽微であることからというふうに判決されてるんですね。

文科省に聞きたいんですけど、その訴訟は、労基法に定める労働時間に当たることを、超勤4項目以外の時間外労働の一部が労基法上の労働時間に当たることを認めた判決ではないのですか? 文科省はどう考えているんですか?

落月初島中等教育局長

大石委員ご指摘の裁判につきましては、埼玉県の小学校である原告が、時間外労働を行ったとして、原告を労働基準法第32条に定める労働時間を超えて労働させたことが国家賠償法上違法であることを主張されたものと認識しております。

一審の地裁判決では、原告が自主的かつ自律的に行った業務については、本件校長の指揮命令に基づいて行ったとは言えず、これに従事した時間は労働時間に当たらないとし、原告が行った各業務について、指揮命令に基づく部分とそうでない部分を明確に聞き分けるのが困難とした上で、個別具体に原告が主張した時間外の業務について検討がされ、その一部については労働時間に当たると言うべきと示された上で、国家賠償法の違法性を検討した結果、日常的に長時間にわたりそのような時間外勤務をしなければ事務処理ができない状況が生じているとは必ずしも言えない状況にあり、教員の労働時間が無定になることを防止しようとした給特法の趣旨を没却するような事情があるとは認められないとして、国賠法上の違法性は認められない旨、されたと承知しております。

Q.大石あきこ議員(れいわ新選組)

労基法上の労働時間に当たることを一部認めてるわけじゃないですか。論点になってるのが労基法とのずれっていうところで、当然労基法32条も含まれるわけじゃないですか。だから訴訟があるから変えた方がいいんじゃないの? 逆に言ったら政府の側だって、このままやったら違法性問われるんじゃないんですか? っていう質問だったんですよ。

なんでその文脈で、今までの判決では問題がなかったかのように言うんですか? 今の答えの中には、労基法上の労働時間として一部認められてるじゃないですか。そこも言うべきではなかったのですか? お願いします。「言うべきだった」と答えてください。

落月初島中等教育局長

委員のご質問につきましては、文部省の方で、そうした時間外勤務に関する裁判の例を網羅的に把握しているかどうかというご質問がありましたので、お答えを申し上げたところでございます。

Q.大石あきこ議員(れいわ新選組)

問題がないかのような答弁をされたので、そういう印象操作みたいなのがダメなんでしょっていうことを申し上げたいんですよ。労働時間に認められるんだと、超勤4項目以外の業務がね。そういう裁判をやったという答弁でもおっしゃったんで、それでいいですけども、そのことは終わります。

次に文科大臣にお伺いしたいんですけれども、お手元の配布資料ですね。2012年から大阪府の教育委員会においては、部活動の、特に公式戦などについて、公務扱いをしているという資料が、お手元配布資料の02から06なんですよ。05の一覧表なんか分かりやすいと思いますけど、これ労働でしょ? 旅費の公費支出かってなってるんですよね。公式戦への参加、こういうので公務災害適用と。出勤日の振替などの措置もあるということで、公務と見なすと書いてあるんですね。

文科大臣、もうこの01の資料、先週も見せましたよね? 労働時間か労働時間じゃないかって、2つしかないんですよね。労基法32条で。で、それに教員もその状況に置かれてるんで、これ大阪府の公式部活、土日に行ったら学校の先生、これ労働時間じゃないんですか?

あべ文科大臣

学校教育の一環として行われる部活動の指導におきまして、公立学校の教師が従事している場合、それは公務に当たるものと認識しております。

その上で、所定の勤務時間内に行われる部活動指導の時間については、労働基準法上の労働時間に当たります。また、公立学校の教師について給特法の仕組みにおいて、所定の勤務時間外に行われる部活動指導の時間は、労働基準法上の労働時間とは言えませんが、学校教育活動の業務を行っている時間と整理されているものと考えています。

Q.大石あきこ議員(れいわ新選組)

厚労省にお伺いしたいんですけどね。先ほど文科大臣が、公務であるとおっしゃいました。この大阪府の土日の部活を例に、公務だとおっしゃいました。公務だったら、労基法の32条、こちら側の労働時間ではないんですか?

厚生労働省 小田大臣官房審議官

労働基準法における労働時間は、客観的に個別具体的に判断されるものでございます。この考え方は、労働基準法が適用される労働者については等しく、同じように適用されると考えております。

Q.大石あきこ議員(れいわ新選組)

それを適用したときに、先ほど文科大臣が部活動は公務だと言った、その公務であるとするならば、この部活動はさすがに労働時間ですよね? 厚労省さん、それ例外あるんですかね?

小田大臣官房審議官

労働時間は個別具体的に客観的に判断されるものでございますので、ご指摘のものについて一般的にお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

Q.大石あきこ議員(れいわ新選組)

もうだいぶ無理があるっていうのは、ここにいる皆さん全体が感じ取っていると思うんですよね。やっぱり最後にいつも出てくるのは財源問題でしょ。「財源がない」論でしょ。

2018年の朝日新聞(配布してませんが)では、その時の中央教育審議会特別部会長である小川さんという放送大教授の方が、「財源がない」と書いてるんですね。私の試算によれば、教員の働きぶりに教職調整額を支払うとすると、1年間で9,000億円から1兆数千億円が必要です。しかし財源の目処はありません。

この発言自体が、もう労基法違反じゃないですか。労基法とのずれで、今日も自民党の幹部である沖原さんという方が来て、「財務省は財源に腹をくくっていないだろ」と。しかし中教審では曖昧な時間外勤務に払うかのような話をしているが、それは曖昧だからダメなのだ。しっかりと時間外手当を支払うよう運用すべきだ、という主張をされた。

文科大臣がそのように運用すると言った。それがボトルネックでしょ。皆さんも他人事じゃないですよ。「財源がない」という論に縛られて、逆に言えば公立学校の先生は年間1兆円の不払い残業をさせられているんでしょう? 「財源がない、確かにないな」みたいなので済まされるんですか?

1兆円分の仕事をしてるんですよ。本当に財源ないんですか? 過去最高の税収80兆円なんでしょう? 国債発行もできるんでしょう? だけど公立学校の先生に払う財源はないわけ? おかしくないですか、そういうの。

先生に対して、これは不払いですよね。明らかに。そして裁判の判決でも、労働時間だと認定されてきてるわけじゃないですか。

はい、まとめます。そういう中でね、「先生を解放しよう」みたいなフレーズをはめておいて、解放しようみたいな話って、もう気持ち悪いですよ。皆さん、気持ち悪くないんですか? このまま集結するんですか? それは許されません。引き続き議論を行います。終わります。