【文字起こし】5月9日国会②文部科学委

川内博史議員(立憲民主党)

仕事として子どもたちと向き合っていることに対する対価というものをどのようにしていくのか、という点について、私どもは給特法というものが足かせになっているのではないかという思いを持ちながらも、この法案に対してどのような態度を取るのか、しっかりと考えながら議論を進めてきたところでございます。

今回の教育公務員特例法の改正で、「担任手当」なるものが新設されると聞いております。この教育公務員特例法の改正案の条文を読みますと、「義務教育等教員特別手当は、前項に規定するもののうち、次に掲げるものを対象として、これらの者が従事する公務の類型に応じて支給するものとし、その額は公務類型に係る業務の困難性の事情を考慮して、条例で定める」と書いてあります。

法律は素人には非常に分かりにくいのですが、主語と述語だけを読むと「義務教育等教員特別手当は条例で定める」と書いてあるわけですね。つまり、最終的には条例で定めましょうということです。
この義務教育等教員特別手当については、最終的に条例で裁量的に決められる、要するに自治体が文部科学省の指針などを参考にしながらも、最終的には条例で定めるという理解でよろしいか教えてください。

望月局長

公立の教員は地方公務員でございますので、地方公務員の給与につきましては、地方公務員法第24条などに基づき、その職務の内容と責任に応じて、各地方公共団体の条例において適切に定めることとなっております。

川内博史議員(立憲民主党)

そうすると、今までこの「義務手当」というものは、自治体によっては一律で教員に支給されていた実態があります。今後も一律で支給するという条例を定めることは、本法案に違反するものではないという理解でよろしいでしょうか。

望月局長

公立学校の教師の給与につきましては、教育公務員特例法第13条におきまして、その職務と責任の特殊性に基づいて条例で定めることとなっております。今回、学級担任に関する手当を全国一つの類型として設けるという趣旨は、担任する学級の児童生徒一人ひとりに学級担任の職務が日々及んでいることを背景に、学習指導に加え、児童生徒の抱える困難や多様化・複雑化した問題への対応、保護者への連絡などの職務が求められていることにあります。

令和の勤務実態調査においても、学級担任の在校等時間は他の教師よりも長いことが明らかになっています。こうしたことから、教育公務員特例法改正案において、学級担任に加算される義務教育等教員特別手当を想定し、都道府県や政令市が文部科学省令を参考に、公務の類型の困難性を考慮して条例で定めることとなっております。

仮に学級担任に対して一律に義務手当を支給することは、直ちに法令違反になるものではないと考えております。ただし、今回の趣旨に則って制度を設計し、実態に即した対応をお願いしたいと考えております。

川内博史議員(立憲民主党)

文科省のお考えはよく分かりますし、それを参考にする自治体があるのも当然と思います。しかし、学校現場においては、教員を一律に処遇する方がうまくいくと考える自治体もあるでしょう。世の中にはさまざまな考え方があり、それぞれがよかれと思って判断しているわけで、それを縛ってはならないと私は思います。

ですから、これまでのように義務手当を一律に支給するという条例を定めることも法律違反ではないということも含め、しっかりと各自治体に周知すべきであると思います。「こういうことをしてくださいね」ということも大事ですが、「これまで通りやることも法律違反ではありませんよ」ということも、しっかり周知すべきです。文科大臣から「しっかり周知します」というご答弁をいただければありがたいです。

あべ文部科学大臣

文部科学省といたしましては、今の法改正および予算措置の趣旨を踏まえ、学級担任への手当の加算を積極的にご検討いただきたいと考えておりまして、法案が成立しましたら、その旨を丁寧に説明してまいります。

川内博史議員(立憲民主党)

それは分かりました。ただし、一律でこれまで通り支給することも法律違反ではないということも、しっかり周知すべきだと申し上げているのです。どうですか。

あべ文部科学大臣

ご意見はしっかりと受け止めさせていただきます。

川内博史議員(立憲民主党)

もう質疑が終了してしまいましたが、文科省が「それは法律違反とは言えない。それでもいいんですよ」と答えたのですから、それも「周知します」となぜ言わないのですか? それを教育委員会に言われる方が恥ずかしいでしょう。ちゃんと「周知します」と言ってくださいよ。簡単なことじゃないですか? 「周知する」と言えばいいだけの話です。

あべ文部科学大臣

委員長、法案の趣旨を踏まえて、しっかりと説明してまいります。