民間起業や諸外国に比べ、ICT化が遅れている日本の教育現場。
文科省、教育委員会は、ICT化を推進することで教員の負担を軽減して、教員がより子どもたちに向き合えるようにすべきです。
今回は、元公立小学校教員の経験をいかして、「今すぐICT化して負担軽減を図るべき5つの小学校業務」をまとめました。
1.連絡帳アプリの活用
現在、日本では親への連絡は未だに連絡帳、電話、一斉メーリングリスト。
しかし、諸外国では「連絡帳アプリ」を活用しているといいます。
この連絡帳アプリ、できることは、出欠連絡、翌日の持ち物の連絡、保護者から担任への質問…等々です。
仮に導入すれば、朝から無断欠席の家庭のために職員室まで戻って電話する必要もなくなれば、子どもがいる時間に連絡帳の返信を急ぐ必要もなくなります。
親はアプリでワンクリックで出欠連絡可、担任は既読(返信は児童の下校後)にすればオッケーです。
これで担任はしっかりと子どもの指導に集中できます。
(朝忙しい保護者も連絡帳を書くより楽なのではないでしょうか。)
また、保護者が担任にちょっとした質問があるときに連絡帳よりアプリのほうが気軽に質問できるので、保護者と担任のすれ違いが起きにくくなると考えられます。
懸念される情報の管理については教員は校内でのみのログイン運用にすれば、情報漏洩の恐れもなくなるし、教員側も帰宅後の対応は避けられます。
私はこれに加えて、忘れ物をした子どもの保護者への連絡がいくようにしたり、未納給食費がある保護者に支払い催促したりする機能も追加すると尚良いと思います。
2.親への手紙はデータで
手紙を配る時間、結構時間かかります。これらは必要なのものなのでまだ良いですが、宣伝の類のチラシも配布させられます。
これらの手紙配布、いい加減、全部(あるいは宣伝のみでも)データでのやり取りにしませんか。
データ化すれば、子どもがプリント無くしたり、親に渡さなかったりすることもなくなるし、忙しい共働きの親なら帰宅中の電車内でチェックもできます。
プリント配布による、教育の機会損失は1日数分かもしれませんが、年間で考えれば無視して許される時間ではないと私は思います。
ICT化して、無駄な時間を削り、教員が子どもの指導に時間を充てられるようにしましょう。
3.親からの提出書類もデータに
水泳学習や持久走大会への参加同意書、個人面談の希望日時調査、保護者会への参加の可否…。これらはすべてデータを介して行うことが可能です。
今の紙でのやり取りでは、担任は未提出者が誰か名簿をチェックしたり、締切りを守らない親に電話したりなど、無駄な学級事務を行っています。
アプリ等データのやりとりにすれば、締切日には携帯の画面に表示させる等の技術も充分可能で、提出遅れも防げます。
また、学校評価など現在担任が行っている集計業務も行ってくれる機能がつけば尚良しです。
担任を余計な学級事務から解放し、授業の準備など子どもの指導に直接関係のある仕事に集中させるべきです。
4.プールカードもデータ化を
授業への参加可否、体温、合格級、緊急連絡先の記入があるプールカード。
現在の運用では、保護者は水泳実施日に毎回体温等の記入が必要です。担任もプールカードを忘れた子どもの親に電話したり、参加了承の判子を押したりする必要があります。
プールカードを忘れただけの子どもが二時間近く見学しているのもナンセンスです。
これも、アプリで管理できるのではないでしょうか。
水泳実施日に画面に表示させるようにすれば、忘れも防ぐことができますし、担任の負担軽減にもなります。
また、夏休みの水泳教室など担任でない教員が指導する場合もあるので、てんかん等の持病の情報も入れられれば尚良いと思います。
5.学級事務もICT化を
その他にも、次のような学級事務もICT化して、担任の負担軽減を行うべきです。今時、手書きなんて時代遅れも甚だしいです。
- 出席簿
- 通知票や指導要録等成績書類
- 保健関係の書類
- 給食のアレルギー対応
これらの業務は、既にC4th等の公務支援システムで導入されている自治体もありますが、速やかに全国すべての自治体で導入すべきです。
★まとめ
いかがでしたか。
なかには全員の保護者がスマホ・PCを持っているとは限らないとICT化を反対する人もいます。
しかし、文科省は2020年から一人一台のタブレットを活用してデジタル教科書の使用を進める(出典:毎日新聞)としています。このタブレットを活用できるのではないでしょうか。
活用できる技術があるのですから、きちんと予算をつけてICT化を推進し、教員を子どもの指導に集中させる、これが必要不可欠です。
以上、元小学校教員トウワマコトによる、「今すぐICT化して負担軽減を図るべき5つの小学校業務」でした!
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