宿泊行事、小学校教員時代、大変だったわりにただの思い出づくりに終わった記憶があります。
やめるべきです。
今回は、元小学校教員による、「リスクだらけの宿泊行事をやめるべき7つの理由」です。
1.そもそも宿泊行事でなくてもねらい到達可能
- 体験活動を経験する
- 集団生活を学ぶ
宿泊行事のしおりに書くねらいは、このような感じです。
社会科見学のように宿泊しなくても体験活動は十分可能だし、そもそも学校のやることでしょうか。家族旅行でやるべきです。
集団生活についても学校で十分学べますし、そもそも今時、進んでシェアハウスにでも住まない限り、大人になって集団生活することなんてありませんので不必要です。
最大のねらいは、「思い出づくり」と思っている子どもが多いのではないかと思います。
2.少なからず不安になる子どもいる
実施前に行う班決め。
担任が決めたとしても、子どもたちの話し合いによって決めてもひと悶着ある場合が少なくないです。
なぜなら、普段と異なり、嫌な相手と一日じゅう一緒にいなくてはならず、教員の目が届きにくい(特に部屋)からです。
「友達と一緒の班になりたい」程度の思いなら特に問題ないですが、人間関係に問題があったり、いじめがあったりする場合、当然子どもたちは不安になります。
これらの不安により、当日欠席したり、軽い不登校になってしまう子どももいます。
このようなリスクを抱えてまで行うものなのでしょうか。
3.教員は24時間勤務?
宿泊行事中、教員は24時間勤務です。
例えばお漏らしをする可能性のある子を途中で起こしてトイレに行かせたり、深夜でも子どもにアクシデントがあれば対応しなくてはなりません。
夜10時頃までは振替を貰える自治体が多いと思いますが、その後はボランティア扱いです。(例によって労働基準法無視です)
私は教員時代、2泊3日、体力的にとても辛かったことをよく覚えています。
地域によっては、3年生から実施する自治体や4泊5日実施する自治体もあり、教員への負担が大きすぎます。
4.学校は校長・養護教諭が不在になる
校長や養護教諭が当該学年とともに宿泊行事に出ている間、当然ながら他学年は普通に学校で学習をしています。
体調を崩したり怪我したりする子どもがいても保健の先生がいない、問題が起きたときに責任者である校長もいない、リスク高すぎです。
5.健康リスクも
宿泊行事当該学年の児童の健康リスクもあります。
養護教諭も帯同しますが、アレルギーやアナフィラキシーショックもあれば、インフルエンザ等の感染症のリスクもあります。
当然これらのリスクは通常の学校生活においてもありますが、普段とは違う環境に身を置くこと、対応人員が少ないこと、すぐに親が駆けつけられない等のことを考えると、やはりリスクがあるといえるのでしょうか。
6.教員は旅行代理店ではない
例えばみかん狩りをするとします。
そうすると、農家に連絡を取り、しおりを作成し、バス会社に連絡をする・・・、これらの仕事を全て担任が行わなければなりません。
一つ一つ訪れるところに連絡したり、お金の管理をしたりしなくてはなりません。
これが教員の仕事でしょうか。
完全に旅行代理店社員の仕事です。
これらの雑務のせいで、本来行うべき授業の準備ができなくなっています。
きちんとお金かけられないならやめれば良いのです。
7.お金
バス代、宿泊代(施設維持費)など予算がかかります。
昨今の子どもの貧困により、経済的に厳しい家庭もあると聞きます。
そんな予算があるのなら、他に回しましょう。
★まとめ
学校はコストやリスクに見合った効果があるのかを考えない行事や仕事が非常に多いですが、宿泊行事もその例に漏れない、と私は考えます。
子どもの安全と安心を最優先に考え、学校は勉強をするところという原点に立ち戻り、宿泊行事はもうやめるべきです。
以上、元公立小学校教員トウワマコトが挙げる、「ただの思い出づくりにしかならない、リスクだらけの宿泊行事をやめるべき7つの理由」でした!
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コメント
確かに、
行事へかける時間は相当なものです。
ましてや、泊を伴うものなんて・・・。
当たり前のように、「おねしょが心配だから夜起こしてください」って言う声が届くかと思えば、
はした金を理由に、勤務の振替すら認めない行政。
また、修学旅行でディズニーランドに行かないのはなぜだ!なんて、コースにいちゃもんつける保護者。
学習指導要領から変えるべき時なのかもしれませんね。