度々話題に上がる、日本の教員の労働時間の長さ。
教員、週60時間以上の労働が7割超 勤務時間「管理もルーズ」(出典:日本経済新聞2017年1月26日)
長時間労働になる最大の原因は、膨大な仕事量です。
このような労働環境は、教員の健康リスクを高めるばかりか、学校現場を無責任な教員ばかりにします。その理由を3つにまとめました。
今回は、元共立小学校教員による、「学校現場の膨大な仕事量が無責任な教員を増殖させ続ける3つの理由」です。
1.本来無責任ではない大多数の教員を無責任にする
大多数の教員は本当は準備をして授業に臨みたいと思っていますが、それ以外の仕事が膨大過ぎること、自身の生活もあること等から、現状はほとんど準備ができず、授業に臨むことになっています。
このようなことは教員の世界では常識になっていますが、そもそも準備をせず授業に臨む、こんなに無責任なことがあるでしょうか。
これは例えていうなら、ウォーミングアップせずに試合に臨むアスリートや仕込みをしないで開店する飲食店と同じだと私は思います。
客に対して失礼であるし、自身の力も最大限発揮できません。
しかし、前述のとおり、大多数の教員は本当は授業の準備を行いたいのです。
それなのに、仕事量が多すぎて行えない。
膨大な仕事量が、無責任な状態をつくりだしているといえるのではないでしょうか。
2.責任感のある教員が休職・退職してしまう
責任感のある教員は、子どもたちのために授業の準備をします。
しかし、勤務時間内に行えないので、自らの生活を犠牲にして行うことになります。
彼らは、当然労働時間が無くなるので、心身ともに健康リスクが高まります。
真面目で熱意があることでかえって、体調を崩してしまうケースが結構あるのです。
また、こんな生活長く続けられない(だからといって無責任に子どもと関わるのは嫌)と、教職に見切りをつけて退職する教員もいます。
こうして、責任感のある教員が減っていき、相対的に無責任な教員が増えていくのです。
3.無責任な教員はそのまま
どの組織にも一定数元々無責任な人間がいるものです。
教員の場合、いくら仕事しようが給料はほとんど上がらないので、勤務時間内に授業の準備が出来なければ、もうしない、休日はしっかり休む、という教員もいます。
休日に休むことが無責任になってしまう、ということがそもそもおかしいのですが、彼らはしっかりと休息もとっているので、休職に至ることも少ないし、わざわざ退職して転職する気概もない人が多いように私は感じます。
よって、彼らは仕事の仕方を変えずに居続けるので、無責任な教員は減りません。
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★まとめ
一にも二にも、仕事量を減らし、労働環境を改善すること、今の学校現場にはこれが必要不可欠です。
改善を行わなければ、益々無責任な教員が増え続けていくことになるでしょう。
以上、元小学校教員トウワマコトによる、「元教員が挙げる、学校現場の膨大な仕事量が無責任な教員を増殖させ続ける3つの理由」でした!
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