先月、2月24日に実施されたプレミアム・フライデー。
一応おさらいしておくと、プレミアムフライデーとは、
「プレミアムフライデー」は政府が経団連などと連携して検討してきたもので、月末の金曜日に早めに仕事を切り上げ、夕方から買い物や飲食、旅行などを楽しんでもらうという消費喚起策。(出典:ハフィントンポスト「プレミアムフライデーとは?」 2016年12月10日)
というもので、その日は3時に退社・退庁しようという試みです。
翌日、私は教員時代の知り合いに、「プレミアム・フライデーどうだった?」と聞いてみました。
今回は、学校現場のプレミアム・フライデーについて、まとめました。
◆「プレミアム・フライデーどうだった?」と聞いてみた
聞くまでもないとは思ったのですが一応、教員時代の知り合い(小学校教員)に、「プレミアム・・フライデーどうだった?」と単刀直入に聞いてみました。
会話、一言で終了しました。
「そんなの関係ないよ」
◆なぜ3時退勤が無理なのか?
それでも私は食い下がって、改めて聞きました。
「どうして学校現場は無理なのかな?」と。
3時退勤が無理な理由について挙げられた理由は、
- 今年度に関しては年間計画が既に出ていて、授業がある
- 同様に、会議がある
- 保護者対応がある
- 土曜授業(翌週の授業)の準備がある
- その他諸々学級事務や校務分掌の仕事がある
- そもそも有給を使わないで退勤できる制度がない
こんなところで、要は「普通に仕事がある」ということでした。
はい、完全に予想通りでした。
◆学校現場にプレミアム・フライデーが定着するためには?
私は更に質問をしてみました。
「逆に学校にプレミアム・フライデー」が定着するにはどういう条件が整えば可能になるかな?」と。
そこで話し合って挙げられた条件は、
- 教育委員会からの指示、新たな制度設計があれば可能(上からの指示が絶対の業界なので)
- そのためにはまず世の中一般が定着しなくてはならない(なぜなら「学校の先生だけズルい」となるから)
- 仕事の総量が減ること(金曜だけ早く帰っても結局土日仕事しなくてならないのなら誰も帰らないから)
- 形式的には今でも有給休暇を使って、「一人プレミアム・フライデー」は可能。(授業バックレることになっちゃうから現実的には無理だけれど)
ということでした。
まあ、そうですよね。
世の中一般に定着⇒教育委員会からの指示、少なくともこれが必要そうです。
★長期休暇中の月は?
ただし1点、世の中一般と大きく異なるのは、学校には長期休暇があることです。
来月のプレミアム・フライデーは3月31日ということで、民間企業では年度最終日ということで3時退社は更に厳しいという話を聞きますが、学校現場は春休みなので逆に可能そうです。(現実的には、普段使えない有給を使って休日になっている人が多いとは思いますが)
つまり、学校現場は、(制度としてはないので)個人で有給休暇を使えば(かつ丸一日休日にせず3時までを勤務にすれば)、長期休暇中の月(7月・8月・12月・3月)は可能であるといえば可能そうです。
しかし、現状ではそれ以外の月はまず不可能そうです。
一見、4か月も3時退勤が可能なだけ世の中一般よりマシと思われるかもしれせんが、逆に言うとその4か月は他の月は金曜以外の曜日も含めて現実的にまったく有給休暇が使えないわけで、単純にマシともいえません。
★まとめ
初の「プレミアム・フライデー」、実際に3時退勤できた人は3.7%という数字もあるように、世の中への定着もまだまだなようです。
実際に早く帰った人は有職者の3.7%(出典:時事通信「速報!『プレミアムフライデー』事後調査 実際に早く帰った人は3.7%」2017年3月3日)
学校現場での「プレミアム・フライデー」も民間企業同様、厳しかったようです。
長期休暇中については個人で有給休暇使えば可能かもしれませんが、それ以外の月は不可能、現状ではこんな感じです。
それ以外の月も可能にするには、世の中一般に定着すること、教育委員会からの指示等が必要です。
今の実情と照らしてみれば極めて難しいということができます。
そして、世の中一般の会社員も教員も望んでいることは、金曜日の3時退社ではなく、「曜日に関係なく定時に退社できること」であって、一人ひとりの仕事の総量が減らされることだと思います。
以上、元公立小学校教員トウワマコトによる、「初のプレミアム・フライデー、学校現場はどうだったか教員に聞いてみたら聞くまでもなく予想通りだったので、3時退勤を可能にする条件を考えてみた」でした!
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