元小学校教師による、教師が先に学習を進められることを嫌う3つの理由

昨今、ネット上の書きこみを見ていると、我が子が学校で先生に「習っていない漢字を書いてはいけない」「先に課題を進めてはいけない」と理不尽な指導を受けたと保護者の不満の声が度々上がっています。

こういった指導に対し、私もナンセンスだとは思いますが、教師には教師でこういった指導をする(あるいはせざるを得ない)理由があるのです。

正しい、正しくないかは別にして、なぜ教師がこういった指導をするのか、理由を知っていても損はないと思うので、説明していきます。

1.画一的に教えたい

学校の教師は1人で40人近くみなくてはならず、学力下位層にも理解・定着させるために、どうしても画一的に教えたくなる(あるいはそうせざるを得ない)傾向があります。

例えば、筆算のくりあがりをどこに書くか、きちんと場所を指定して指導したかったりするわけです。そこで、子どもが先に別のやり方(あるいは間違ったやり方)でやっていると指導しづらくなるので、教師は先に学習されることを嫌がるのです。

個人的にはナンセンスだと思いますが。これが一つ目の理由です。

2.課題がなくなる

次は、課題がなくなってしまう、という理由です。

例えば、計算ドリルを子どもが指定ページより先に進めることを嫌がる教師がいます。

彼・彼女らはなぜ嫌がるかというと、日本の教師は授業の準備する時間を与えられないこともあり、授業中に早く課題が終わった子どもに取り組ませる課題や宿題がなくなってしまうからです。

私なんかはドリルは繰り返し使用できるのだから構わないと思うのですが。

3.思考力を鍛えたい

最後は、思考力を鍛えたいと考えている場合です。

授業のなかでは理解や技能の定着だけでなく、思考力を重点的に鍛えたい授業もあります。既習の学習知識から新たな課題の解決に取り組ませるのです。

具体的にいうと、例えば、三角形の面積を求める課題などがそれにあたります。既習の長方形・平行四辺形の面積の求め方から考えさせるのです。

このときに、先に答え(公式)を知ってしまっていたら授業での学習効果とは半減しまうわけです。だから教師は嫌がります。

とはいっても、クラスのなかには学習塾に通って先に学んでいる子どももいるわけで、あまり意味はないかと個人的には思います。大事なのは仮に答え(公式)を知っていたとしても、なぜその答えになるのかを考えさせることだからです。

★まとめ

教師が先に学習を進められることを嫌う理由は、

  1. 画一的に教えたい
  2. 課題がなくなる
  3. 思考力を鍛えたい

です。

保護者からすれば、ナンセンスかもしれませんが。

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