遅々として進まない「学校の働き方改革」を年表にまとめてみた

ブラック企業が社会問題として認識され、働き方改革が叫ばれ始めて6~7年経ちます。

その間、民間企業では45時間の残業規制が法制化され、働き方改革が進んできました。

その一方で、学校では遅々として働き方改革が進みません

そこで、今日は、学校の働き方改革の歩みが遅すぎることを再確認するためにも、また、きちんと記録をとっておくことは大切だと思いましたので、その歴史を年表としてまとめます。

◆「学校の働き方改革」年表

年月 出来事
2015年12月 部活問題を取り上げた中学教員・真由子氏「ライブドアブログ話題賞」
2016年頃 Twitter上にて、BDK(部活だけ教員)、部活未亡人などのスラングが生まれる
2016年3月 部活問題対策プロジェクトが「部活動の顧問をしない選択肢」を要求する署名を文科省に提出
2016年9月 電通社員・高橋まつりさんが労災認定を受け、働き方改革の必要性が叫ばれ始める
2016年12月 小学校教員田中まさお氏が残業代を求める訴訟(埼玉教員超勤訴訟)を起こす
2016年12月 東和誠「問題だらけの小学校教育」出版
2017年2月 「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が通知され、タイムカードでの勤怠記録が義務となる
2017年7月 内田良教授「ブラック部活動」出版
2017年12月 「学校における働き方改革に関する緊急対策」(業務の在り方に関する考え方3分類)を通知
2018年2月 西村佑二教諭らが、給特法廃止を求める署名を文科省へ提出
2018年5月 過去10年間で63人の教員が過労死していると毎日新聞が報道
2018年6月 内田良教授「教師のブラック残業」出版
2019年2月 TBS「林先生の初耳学」にて、教員の労働環境が取り上げられる
2019年5月 フジテレビ系列福井テレビでドキュメンタリー「聖職のゆくえ」が放送される
2019年7月 福井県中学教員過労死裁判、県と町に安全配慮義務違反を認め賠償確定
2019年12月 変形労働時間制(給特法改正)成立
2020年3月~ 新型コロナウイルスの影響で行事等が中止になる(がその後、元通りになる)
2020年4月~ 新学習指導要領が開始となり、道徳、小学校英語が教科化され、授業時数がさらに増加する
2021年3月 「#教師のバトン」プロジェクト開始されるが、文科省の想定とは異なり、教員たちのブラックな現状の暴露の場となる
2022年4月~ 労働問題を専門とした新しい労働組合が続々と誕生する
2022年6月 大阪府の高校教員適応障害裁判、府に安全配慮義務違反を認め賠償確定
2022年7月 教員免許更新制度解消(教員免許法一部改正)成立
2022年12月 「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」により、部活動の地域移行が始まる
2023年3月 埼玉教員超勤訴訟、最高裁に棄却され、敗訴が確定
2023年4月 教員勤務実態調査の結果、30分程度の残業時間減少にとどまる
2023年4月 教員採用試験の倍率低下から試験の前倒し、大学3年から、免許未取得でも受験可能に
2023年5月 全国で2000人を超える臨時的任用教員の不足が明らかとなる

※その他にも追加した方が良い事柄がありましたら、コメント欄やX(旧Twitter)で教えていただけたら幸いです。