シン道徳教科書 小6「いじめ、それでもやりますか?」

<シン道徳とは…>
既成の道徳の教科書は綺麗事の物語ばかりで、登場人物の気持ちばかりを考えさせる。それも大事なのかもしれない。しかし、今の時代に本当に必要な道徳は、「児童生徒が生きていくために必要不可欠な情報をきちんと伝えることなのではないか」という考えから生まれたのが、このシン道徳。

いじめ…、それはいじめられた人が悲しい思いをする、傷つく…だけではありません。

いじめのテーマになると、つい被害者のことばかりが話題になりますが、加害者の人生にも影響があるのです。

では、加害者はどうなるのでしょうか。

学校教育法では学校はいじめの被害者を守るため、加害者を「出席停止」にすることができます。

つまり、いじめをすると、学校に通えなくなるのです。大変です。

それだけではありません。

裁判にかけられ、「損害賠償」を請求されることもあります。

実際に、2011年滋賀県大津市では、中学2年生が、

  • 殴る蹴る
  • ペンで顔に落書きする
  • 口に粘着テープを貼る
  • 手足をはちまきで縛る

などのいじめを受けて、自殺を至りました。

この事件では、加害者の生徒は、学校とともに裁判所から3350万円の支払い命令を受けています。

2008年千葉市では、小学5年生が、

  • 殴る
  • 後ろの席から消しゴムや鉛筆などを投げつけるなどの嫌がらせ

を繰り返し受け、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症しました。

この事件でも、加害者の児童は学校とともに裁判所から388万円の支払い命令を受けています。

なぜか。

いじめはれっきとした法律違反だからです。

暴行罪、傷害罪、脅迫罪、名誉棄損罪、侮辱罪、強要罪などといった法律に違反するのです。

ですから、違反した加害者には大きなペナルティが伴います。

その一つが慰謝料です。

子どもには払うことができないので、親が払うことになります。

いじめを行うことによって、親に大金を払わすことになるのです。

それだけではありません。

2021年には、東京オリンピック・パラリンピックの開会式の曲をつくることになっていた音楽家が学校時代にしていたいじめが問題視され、辞任に至りました。

同年、韓国女子バレーボールチームの選手も学校時代にしていたいじめが発覚し、代表チームを追放されました。

いじめをすると、学校に通えなくなる可能性があります。

いじめをすると、大金の慰謝料を請求される可能性があります。

いじめをすると、大人になって活躍できなくなる可能性まであるのです。

あなたは、いじめ、それでもやりますか?

<参考文献>

朝日新聞『大津いじめ自殺、元同級生2人の賠償確定 最高裁』

朝日新聞『いじめ「起こって当然」 勝訴後に原告が学校に求めた事』

読売新聞『五輪開会式の音楽担当辞任…「いじめ」謝罪も批判収まらず』

読売新聞『韓国バレーの「アイドル」双子姉妹、子供時代のいじめ理由に代表追放』