公務員(教員)を辞めるときに言われた5つの「もったいない」―果たして本当にもったいないのか?―

それまでお世話になった方々に退職を伝えたときに必ず言われたこと、「もったいない」

もったいない・・・。

何がもったいないのか?

本当にもったいないのか?

何がもったいないと言われていたのか、そこには5つの「もったいない」があったと思う。

①安定的な身分がもったいない

まず、この意味で心配して「もったいない」と言ってくれたのだと思う。

公務員、確かに身分は保証されてる。簡単にはクビにならない。ボーナスも常に出る。福利厚生も恵まれている。

でも、教員の場合残念代ゼロだから、実質賃金時給で計算したらアルバイトレベルだし、休憩時間もほぼなし。朝も早い。

制度的にも、年金は共済年金から厚生年金へ変更になったし、退職金は減額の方向で動いている。

いうほど旨みがあるのだろうか?

しかも公務員だから副業は禁止ときた。

確かにクビにはならないけど、この仕事つぶしが効かないのに。
(昔と違って、社会的に尊敬される身分でもないしね~)

子どもとかいたらまた別なのかもしれないけど、私にはいないし、総合的に考えて魅力的じゃない、そういう判断をした。

②せっかくのやりがいのある仕事

次に、この「もったいない」。

確かにこれはそうだ。天職であればあるほど。

しかし、

  • 人生仕事だけじゃない
  • 仕事授業だけじゃない

私の場合、これにつきる。

  • 人生が仕事だけならこの仕事、最高なのかもしれない。
  • 仕事が授業だけなら、この仕事、最高なのかもしれない。

でも、現実はそうじゃない。

仕事以外に生活がある。家事もあるし、趣味だって楽しみたい。勉強だってしたい。

それに、仕事のやりがいである授業は、教員になる前に覚悟していた以上に少なくて、仕事の大半といえば校務分掌や雑務ばかり・・・。

だから、徐々にもったいないとは考えなくなっていった。

③せっかく採用試験受かったのに

次にこれ。

採用試験って今のベテラン勢のときは倍率10倍~とかだったかもしれないけれど、私の時は運良く段階の世代退職の始まりっていうタイミングだったから、倍率なんて3~4倍だった。

しかも、一発合格だったから、彼らベテラン勢と違って採用試験合格の有難みがまるでない。

ベテラン勢は何度も何度もチャレンジしてようやく、って人も結構いたみたいだけれど、そういう苦労を私はしてないから、採用試験合格の有難みがないのだ。

だから全くもったいないとは思わなかった。

最悪、人手不足の時代だから、またやりたくなったら(ならないと思うが)受け直せば良いわけだし~ぐらいなもん。

④培った知識やスキル

次は、せっかくそれまでに培った知識やスキルがもったいないのではないかということ。

う~ん、確かに。

でも授業力を活かしたければ私立や塾もあるのかと。

⑤子どもにとって

これを本心で言ってくれていたのだとしたら、光栄ではあるが、私の場合多分この意味は含まれていなかったと思う。

私の場合、充分すぎるほど子どもに尽くしてきた。

だからもう未練はなかった。

★最後に

「もったいない」「もったいない」と言われ続けていた時に私が思っていたこと。

もったいないのはそっちじゃない?

申し訳ないけど。

口には出さなかったけれど。

この人たちまるで気づいてないな、と。

この仕事、一生自分や家族の生活を犠牲にしてまでやる仕事かと。(まあテキトーにやりながら給料貰うっていう選択肢もあるのかもしれないけど・・・)

だから自分の価値観でいえば、全然もったいなくなかった。

投資家が良く言う、”損切りは早ければ早い方が良い、傷が浅くて済む”っていうやつ。

もったいない、もったいない、って損切りできずにそのままにして気づいたらロスカット(人生強制終了)…なんて悲惨すぎるからね。

まあ、これはもちろん私の価値観で、現役教員の方をバカにしたり侮辱したりするつもりは一切ない(むしろ敬意を払っているつもりだ)。一口に公立学校教員っつても地域や学校、校種によっても違うし。

それでまとめると、私はこの仕事に自分の人生捧げるほどの価値はない、と判断したってだけ。

辞めたら久しぶりに自分の人生取り返したって感じ。だから、全然もったいなくないんだ、これが。

※大丈夫とは思いますが、あくまでも私の考えなので鵜呑みにはしないように

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