大分県の教員採用試験低倍率の理由がよくわかるヤバいニュース5つをまとめた

大分県の小学校教員採用試験において、最低倍率を更新したという報道がありました。

来年春に採用される県内の公立小学校の教員採用試験で、受験倍率が1.0倍と、平成以降最も低い水準にとどまり、人材の確保が課題となっています。来年春に採用される県内の公立学校の教員採用試験が今月10日に行われ、県教育委員会が受験倍率を公表しました。

小学校教員の志願倍率 平成以降最低の1.0倍 人材確保多難(NHK大分2022年7月20日)

大分といえば、教員採用試験の不正が行われ、大きな話題になったのが2008年。

当時は高倍率で教員になるのが難しかったからこそ起きた不祥事ですが、たった15年でここまで倍率が下がるとは隔世の世の感じがあります。

さて、教員採用試験の倍率は全国的に低下傾向にありますが、なかでも大分はとりわけ低いです。

はじめはその理由がよく分からなかったのですが、今週入ってきた“ヤバいニュース”により、その理由が判明しつつあります。

大分県の“ヤバいニュース”5つをまとめました。

その1 現職死13人

馬場林議員によると、大分県の教職員において、2021年度の現職死亡者は13人とのことです。

すべてが過労死ではないと推測できますが、それにしてもギョッとさせられる数字ではあります。

馬場林議員

「2012年の第2回定例会において、教職員の現職死亡と病休者の現状と対策に関連して、4月に3人、5月に2人、6月に1人と3か月間で6人の方が亡くなられています。このことは異常に思えてなりません。(中略) その後の10年間、現職死亡者と病気休職者の状況は、全体的には減少傾向にあるものの、2021年度の現職死亡者は前年度と比較して2倍の13人となっています。(中略)2014年、授業中に脳出血で倒れ、3か月後に亡くなられた県北部の中学校の当時46歳だった女性教諭について公務災害と認められました。また、女性教諭の父親の声として、勤務先の中学校は近くだった。授業などに備え、ほぼ毎日、遅くとも午前7時前には家を出た。帰りは遅く、休日もない。能率を上げきらんのかと声をかけたこともあるが、愚痴や泣き言は聞いた覚えがない。仕事が多く、生徒を十分に見てあげられない。かわいそう。そう漏らす声が耳に残るとの報道がありました。また、佐伯市立中学校の当時50歳だった男性教諭が2017年6月に急死したのは過労死だったとして、公務災害の認定を請求し、2019年10月に公務災害と認定されました。男性の妻は、夫が頑張ったことを分かってほしいとともに、二度と過労死は起きてほしくない。夫の死を無駄にしたくないと訴えました。男性の亡くなる直前3か月の時間外労働時間は、159時間、174時間、193時間となっていたそうです」

大分県会議録 令和4年 第2回定例会(6月) 06月22日-04号

その2 公用携帯持ち帰り対応

これは、大分市のある中学校が保護者へ配布した手紙です。内容としては、感染症対策として教職員の公用携帯への連絡をお願いする内容です。

この文書がTwitterで拡散されると、教員アカウントからは、

「教員は公用携帯を家に持ち帰って24時間保護者から連絡を受けなければならないのか?」

「深夜に教員が連絡を受けて何ができるのか?」

などの疑問の声があふれました。

この文書、一体、どういった法的根拠にもとづいて、教職員に指示を出しているのでしょうか?

確かに給特法において、超勤四項目(非常災害)においては、臨時または緊急のやむを得ない必要があるときは残業を命じることができるとしています。

しかし、この場合、臨時または緊急のやむを得ない必要があるかといえば、それには該当しないのではないかと思われます。

その3 3地域広域異動

採用から最初の10年は3地域への広域異動をしなければならない人事制度だそうです。

これは教員側からすると、生活基盤が安定せず、ツラい。

なお、県教委はこの広域異動について、次のような見解を出しています。

小中学校の教員の広域人事は人材育成と全県的な教育水準の維持向上を目的に実施しています。 教員としての幅広い視野と能力の伸長を図るためには、採用から早い時期に異なる環境を通じて多様な経験を積むことが大事です。広域人事異動を進めてきた結果、全県的な教育水準の維持向上も図れており、さらに臨時講師比率の地域間格差が縮小されるなど、その効果や必要性は市町村教育委会にも理解されています。 学校における地域とのつながりは大切です。ただし、それはその先生が長く同じ地域に勤めることやその地域の出身者であることではないと考えています。赴任した地域で地域の人と一緒になって子どもたちの教育に取り組むこと、地域に根ざした教育を進めようとする意欲や姿勢・努力が大事であり、こうした経験が教員としての人材育成や地域理解につながることから継続していきたいと考えています。

教員の広域人事について(令和元年10月回答)

その4 試験締め切りツイート

↓は県教委の採用試験アカウントです。

採用試験に3次試験まであることもヤバいし、締め切りが過ぎている受験者に書類提出を依頼していることもヤバいとTwitterで話題です。

その5 改善認識の教育委員会

NHK大分によると、高校生に対し教員アピールを行うとのニュースとのことです。

大分県の今年度の教員の採用倍率は2.6倍と、これまで記録が残っている中で最低となりました。県教育委員会は、早い段階から教員を目指す人を増やそうと、県内の高校を回って教員の仕事の魅力を伝える取り組みを始めることになりました。

高校生に教職の魅力発信へ 教員採用試験の倍率最低で(NHK大分2022年10月4日)

それだけでも結構ビックリなニュースだったわけですが、そのニュースのなかでの県教委の担当者の発言にも驚かされました。

「改善が行われて働きやすい環境が整っている」

前述のとおり、

  • 現職死13人
  • 公用携帯持ち帰り対応
  • 3地域広域異動

などの職場環境が改善していないにもかかわらず、県教委はこの認識です。

★まとめ

その1 現職死13人

その2 公用携帯持ち帰り対応

その3 3地域広域異動

その4 試験締め切りツイート

その5 改善認識の教育委員会

大分の”ヤバいニュース”5つでした。