「ウチの部活はやりたい人だけ」発言から分かる校長世代の価値観のヤバさ

一昨年、小学校から部活指導朝練がある自治体の臨採をしたときの私自身の経験です。

聞いてもないのに初対面でいきなり、「ウチは(他の学校とは違って)部活指導はやりたい人だけがやるようにしています、強制はしていません」と誇らしげな校長。

最初はそれは良いことだ(というか当たり前のことだ)と思いましたが、数日働いて嘘っぱちもいいとこだと知ります。

嘘っぱち

この話を、同じ学年を組んだ新卒に尋ねてみたのです。彼は鼻で笑います。

「やりたい人だけがやる?そんなわけない。確かに直接校長からやれとは言われてはないけど、先輩たちから割り振られたし」

数日間働いて、どちらが正しいかは火を見るより明らかでした。20代の若手は臨任も含めても漏れなく全員が勤務開始前からグラウンドに出ているのです。

校長の話は何だったんだ!?と思う私。半ば強制しているのであれば、わざわざ私にあのような話をする必要はないわけで・・・。

この校長、その後も事あるごとに、「ウチの部活はやりたい人だけ」と発言していて、あんまりにしつこい+わたしはいじわる(+正規になるつもりもなく失うものは今更何もない)なので、ある時“ほじくって”みることにしました。

“ほじくって”みた

「…とおっしゃいますが、実際若手はやりたくもないのやらされているみたいですけど?」

すると校長はかなり驚いた様子でした。まさかこんな爆弾を臨任に投下されるなんて夢にも思っていなかったでしょうから。

やりたいかどうかは一度はやってみないと分かりません!(怒)ですから若手はやっているのです」

「じゃあ、『ウチの部活はやりたい人だけ』ではないのでは・・・?」

「今は地域移行への移行期なんですから、仕方ないんです」

もう私、大変失礼ながら、途中で失笑しながら話を聞いてしまっていました。多分、顔に出ていたと思いますw

どういうことなのか

これ、どういうことなのかこの後小一時間、考えてみたのですが、おそらくこういうことなのではないかと推察してみました。

つまるところ、校長は部活の朝練指導において、子どもがまだ小さい教員や遠方から通勤している教員(私はこれに該当)を他校のようには割り当てず、このところにおいては”やりたい人だけがやる”を実現している、だから胸を張って「ウチの部活はやりたい人だけ」と吹聴している、ということです。

要するに、校長にとっては、20代の未婚の若手は”やりたい人だけがやる”の人にカウントされていない。だから、これだけ堂々と、しかも何度も、「ウチの部活はやりたい人だけ」と言うわけです。

で、それに対して、私のようにツッコむ人はいないわけです。ですから、外から見れば裸の王様なのですが、校長本人は結構本気で思っているわけです。他校との比較もあるでしょうし。

…という仮説以外には、もう理解できません(笑)

「私は傷つきました」

最後、年度末を迎え、この校長に言われたこと。

「あの時、私は傷つきました」

もうね、アホかと。本当に傷ついているのは、無賃で強制ボランティアで朝練指導させられてた若手ですよ。若い時の貴重な時間は二度と返ってこない。

私は、これはこの人だけの話じゃないと思っています。つまり、この校長世代の価値観を象徴する出来事だったと思っているわけです。彼らにとっての「教員の働き方改革」なんていうものは、こんなもんです。