文部科学省の中教審の特別部会が開かれ、2月14日から教員の給与のあり方を含む処遇改善に関する議論が始まりました。
それを踏まえ、現役教員らが記者会見を行い、改めて給特法の廃止を訴えました。
この会見を受け、X(旧Twitter)では、給特法廃止の賛否が分かれ、議論されています。
今回は、その議論を取り上げてみました。
◆給特法廃止賛成論
給特法廃止論が広がって来ました
嬉しいことです
無賃残業の理由は給特法です
給特法により残業代が支給されません
丁寧に言うと、給特法があると時間外勤務に対して訴えても勝てないです
しかし給特法により時間外勤務を命じることも出来ません
先ずは法律に基づき時間外勤務ゼロにするのが得策です https://t.co/iqccRcUbYb— 埼玉教員超勤訴訟・田中まさお (@trialsaitama) February 18, 2024
給特法を廃止したからって楽園になるわけで無いし、リスクがあるのも分かっている。
「給特法を変えたわけで…」論の最大の弱点は「代案」が無い事。
そして給特法下で
自分は定時退勤できても、その裏で定時退勤できない多くの先生の存在を目に入れようとしない所。#教師のバトン— はるき@働き方革命 (@teachers_union4) February 19, 2024
同感です。給特法の下で働き方を変えられるのは、ベテラン中堅正規などのいわゆる現場の強者。若者などの弱者は仕事を断ることができない人が多い。
「給特法の下で改善」はこれ以上難しいからこそ。どうするかなんですよね https://t.co/3T9Pje40JT— 教務主任のよしあし (@suwakomush) February 19, 2024
給特法維持とか言うけど、そもそも残業はさせないという法律の趣旨が全く守られてない。おそらく次も守れない。守れない法律を維持するのはおかしくないか?教員の健康が維持するために、残業されないという趣旨を守れるような新しい法律を作らないと、堂々巡りよ。
— もょもと(no war) (@bigface1979) February 18, 2024
教員の働き方を定める「給特法」がやばいのは、残業代は1円も払わないとしておきながら、過労死ラインを超える働き方を可能にし、そのことに対して何のお咎めも管理者側に無いこと
①残業代を出さない
②残業時間を無限に増やすそのどちらともを可能にしている法律
だから無くせ#教員採用試験— 虎津 (@Z7Mv8pyqhdGNa5Y) February 17, 2024
教員は自己研鑽で忙しくなっているわけではなく、明確な業務で忙しくなっている。
給特法が自己研鑽の時間の確保のために出来たという本来の目的が全く機能していない。
給特法のせいで、自己研鑽の時間すら業務で圧迫されている現状なのだから、給特法は廃止一択しかない。
— 残業地獄 (@noname77102807) February 14, 2024
給特法が仮に無くなったとしたら、現在過度に働かされている先生にとっては非常にありがたいことだと思う。
いま定時で帰れていて、給特法がなくなると給料が減ると思っている先生には、給特法をなくさないでくれ、とかは絶対に言わないでほしいよな。
基本給を10%上げた上で、残業代も出してくれ。— 復活の理科教員 (@reborn_teacher) February 15, 2024
何度も言いますけど、教員の労働環境を改善すれば仕事の魅力はたくさんあります。しかし、残業代ゼロや休日出勤手当ゼロの労働基準法を適用しない労働環境では、仕事量が減らず過労や過労死、精神疾患になってしまう可能性が極めて高くなります。給特法の廃止を‼️
— 天津シンギ (@yumeto_me) February 15, 2024
維持することがすべて悪とは限らないけど、給特法があると改革が進まない。 https://t.co/vIMa4B0h4l
— ぷーた@小学校特別支援学級担任の知りたい情報/教員コーチ/Kindle作家 (@aki2000oakp) February 17, 2024
給特法廃止論に対して、教育内容を低下を対立利益とする論法は、(意図的か否かはともかく)欺瞞的です。
労基法が適用され残業代が支払われることの対立利益があるなら、それは「予算」(人件費)。
教育予算は増えない前提で議論し現場のしわ寄せを言及するのは、教育を軽んじているのであろう。 https://t.co/AWl0Lnlxqi— 嶋﨑量(弁護士) (@shima_chikara) February 14, 2024
給特法を廃止すべき。時間外の業務の線引きが難しいと言われるが、それは教員に限った話ではない。時間外勤務については裁判も行われている。裁判では業務の線引きが行われている。そのような事実をもとに時間外勤務の管理をすればいい。残業代を出し、勤務の正常化を進めてほしい。
— 繊細教員なす@小学校教諭 (@eduedumo) February 17, 2024
給特法の廃止が教員の働き方改革になる、ならない云々(特に、廃止した所で何も変わらないという風潮)の話以前に、給特法という法律でわざわざ教員が他の職種と違う働き方を強いられることに合理性が無いのなら、それは廃止するのが筋ですのだ
— 社会科教員のシャキョイさん (@society_arai) February 17, 2024
◆給特法廃止反対論
給特法の改正を声高に叫んでる人がいるけど、私は反対。給特法を改正して残業代が出たら、堂々と残業をさせられることになる。給特法が問題じゃなくて、仕事の量と職員の意識が問題。勤務時間内に終わる仕事の量なら残業しなくていい。また、職員が定時で帰ろうとさえしないのが異常。タダ働きさせられ…
— 真由子 (@mayuko4460) February 17, 2024
「給特法を廃止したら時間外勤務が減る」とか、人間がそのままでもシステムが変われば解決する的な、楽観的かつ他力本願な思想が全く理解できない。
今のシステムを悪用する奴らは、新しいシステムでも悪用する方法を模索するに決まってるやん。
— キョウ✴︎世間様の要求する教師像に反発する教師 (@1531440s) February 16, 2024
給特法廃止は働き方改革を「終わらせる」可能性すらある。
私は法令を遵守する方が解決が近いと考える。残業代支給は抑止力足り得ない。廃止派はこの国が教育を軽んじ予算を割かないことを忘れている。無賃の労働も「子供のため」と強制が継続され、教員以外誰も損をしないのだから変わるはずがない。— ぶた。 (@dorodoropig) February 18, 2024
給特法はわるくない
この制度を悪用している連中が悪い
働かせ放題をさせない仕組みづくりは、廃止以外にないものか?
給特法廃止は安易で全教員の意見ではない
残業代出すから働けの世界は嫌だ!#教師のバトン https://t.co/bGoXvQZoDQ— モノノカンガエカタ (@ict090) February 16, 2024
「絶対に給特法を守りたい✨」なんて気持ちはありません。そもそも民間から転職組なので最初は働き方に非常に苦しみました。その中で給特法を知ったことは僥倖でした。「教員を残業させない法律」があるという事実は強い。問題は労働基準法がいいと仰る方がどれだけ自らの働き方に自覚的なのか
— うつつの世は夢💫マルゴット (@_Within_A_Dream) February 18, 2024
最後に、給特法を廃止しても残業は減らない。
・残業は教師(学校)が競ってやってる部分もある→評価を変えないとダメ
・給特法廃止はボーナス減や退職金減に直結
・財務省が長期的に計算して財源支出減になるからOK!となっても授業外の仕事が多すぎる
・残業を減らすには、管理職の罰則が必要 https://t.co/rz30WT0ImX— うつつの世は夢💫マルゴット (@_Within_A_Dream) February 14, 2024
埼玉ToTは発足時から働き方改革の鍵は『勤務の割振』だと言い続けています。給特法の改正や廃止を待つのでなくまずは現法の中で戦いましょうよ!
— 埼玉ToT【新型組合】無料&労働改善のみ (@saitamaToT) February 17, 2024
IRISも給特法廃止には反対です。変えるとしたら、地公法をはじめとする教員の権利制限法が先。仮に給特法を廃止するとしても、地公法改正とセットでなければ今より状況が悪化する可能性もあります。 https://t.co/YFzCIeOKiK
— IRIS(愛知部活動問題レジスタンス) (@iris_bukatsu) February 17, 2024
学校のブラック労働の原因は給特法ではなく、労基署の介入を認めない地公法。したがって、給特法の枠組みの中での闘い(勤務時間外の労働力の供給停止)が本当に必要な改善に繋がります。
当然ながら部活顧問就任強制とも闘わなければ、本当に必要な改善には繋がりません。#顧問拒否 が大切です。
— 三重部活動問題レジスタンス/三重県の部活問題を考える会 (@Miebukatsu) February 17, 2024
そうなるでしょう。残業代支給が長時間労働を抑制しうるのは、残業が残業と認定された場合のみ。残業していても、残業と認定されなければ残業代は支給されない。
結論:給特法が廃止されても長時間労働はなくならない。#教師のバトン https://t.co/QwVtnp0pTf— IRIS(愛知部活動問題レジスタンス) (@iris_bukatsu) February 16, 2024
給特法の改廃が正解か、維持が正解か、シロクロつけるのは不可能、というか意味がない。大事なのは現実。教育行政は維持を前提に論議を進めている。だったら現行法の範囲内で対応策対抗策を考えるのが合理的だよ。
— ホワイト教務主任! 熱海で暮らす私立校教員 (@white_sense1) February 18, 2024
給特法廃止の立場の方々に問いたい。
「教職調整額も廃止で、月々の基本収入や、それが跳ね返る期末手当や退職金の減額は受け入れますよね?」
西村祐二教諭はかつて、自分は給料が減っても構わないと言っていた。少なくとも彼はこの点ははっきり覚悟しているわけだ。— ホワイト教務主任! 熱海で暮らす私立校教員 (@white_sense1) February 19, 2024
『給特法が廃止されたら残業代が出るようになって業務が精選される!』と自信をもって言うのであれば、
少なくとも自分自身の勤務校において、『誰』が代表者として『どのような内容』の協定を結ぶかくらいのイメージは必要だと思うけどな。。— 神原楓 (@wakateowl) February 14, 2024
なぜ給特法を廃止しようとするのか? 見かけ上の残業はなくなっても、持ち帰り仕事が増えるだけ。まずは管理職研修をして、残業時間を減らす。廃止はそれから。#教師のバトン
“定額働かせ放題”「給特法」現役教員らが廃止訴え(テレビ朝日系(ANN)) https://t.co/nkt91NiBA1
— kamyteeee (@gakkounazenaze) February 14, 2024
現場の価値観的に残業を抑える方向にはいかないよね。何でもかんでも「生徒のためだからやるべき」となるのが学校現場です。
財源がなくても「生徒のため」だから「教師たるもの」やらなきゃいけなくて、持ち帰り仕事が増えるだけ。私も給特法改正は反対で、仕事減らして欲しい立場です。 https://t.co/g2kQF35lKE— 北海道の部活問題を考える会 (@nomore_club) February 18, 2024
#南国茶房 にてマンデリン。 #給特法 について考えたけど、やっぱり廃止は良くない。そんな簡単に仕事は削れない。ならば言い方乱暴だけど、まずはサクッと心安定するだけの給料出しといた方がまだマシ。学校現場を良くするためには、多方面から手を入れないとダメなんよ。 pic.twitter.com/YoJTurM8VP
— グレイス (@omasa1156) February 17, 2024
> 給特法の主旨が守られない現状では廃止は自然な方向
法を守れないから法を変える、その前に、法を守らなかった人達を処分してほしいです。家族の立場からは、杜撰な労務管理がなぜ許されているのか、全く意味がわからないんです。 https://t.co/SAYGWlz65O
— ふぁしこ(魔フィイ〜 (@coupe303) February 11, 2024
何度も言うが、給特法廃止・残業代支給になるようなら、現在よりも勤務時間が長くなることは確実。多くの教員は定時退勤よりも残業代欲しさに残業しまくるだろう。 https://t.co/gMxufTSwkT
— ブライアン(無頼庵) (@vC2dHJ3S98zWV3I) February 15, 2024
給特法があってすら長時間労働なのよ
給特法なくなったらどうなるの?
給特法を盾に帰れないじゃん— inuiblog_乾 東一郎🔴⚪ (@inui_to_ichiro) February 18, 2024
教員の中でも勘違いしている人いるけど、教員は本来残業させちゃいけないのよ。だから「残業代払え」って主張したらおかしいの。調整額を上げるかどうかは焦点じゃない。主張するならノー残業一択です。https://t.co/KOF1eTpYVc
— りゅうさん🍠は保健室のさつまいも🍠🍠🍠 (@l_ultimacena) February 16, 2024
「教員の残業代」だけど、どうせ、勤務時間中の行動での「サボり認定」と、PC操作が苦手なことや本人のこだわりによる「無駄な時間の浪費」が問題になって残業代が付かず、給特法分の給与減が起きるだけだろ。 https://t.co/ixNJICapGj
— やごひさはる (@msd_kkki) February 18, 2024
まぁ、給特法を廃止しても労働時間抑制のメカニズムが働かないのが教育界という伏魔殿なんですけどね…#教師のバトン https://t.co/W4zOCGMmuC
— 永遠の小麦っこ☆UPDATE (@muginaga) February 16, 2024
★まとめ
正直なことを言うと、私個人は給特法が存続しようが廃止されようが、教員の労働環境に与える影響は大したことはないと思っています。
(繰り返し申し上げているように、この問題の核心は労働者側の交渉力と労働基準監督権限だからです)
しかし、この給特法の議論を通じて、その人の働き方についての考え方が分かるし、10年後この議論を読み返せば”答え合わせ”ができるでしょう。だから取り上げました。
なお、私の給特法廃止に対する考え方は別の記事にまとめましたので、興味がある方はこちらをどうぞ。