元教員が教える、小学校の宿題への保護者NG態度3つ

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小学生の子を持つ親なら、気になりますよね、宿題。

国によっては逆効果だとして禁止しているところもあります。

しかし現在、日本の多くの学校では(特に保護者の同意もなく)担任の先生によって宿題が出される慣例が続いています。

その是非は別として、今回は小学校担任の経験からのあるべき宿題との関わり方について私の考えまとめました

それでは、「小学校の宿題への保護者NG態度3つ」です。

NG① 子どもの宿題を一切チェックしない

私は、毎日必ず一緒に宿題をやってあげてください!なんて言う気は毛頭ありません。共働きの家庭では厳しいと思いますので。

しかし、我が子の学年や実態に応じて、

①一緒にやってあげる必要がある子ども、

②終わった宿題をチェックしてあげれば良いだけの子ども、

のどちらなのかを判断し、宿題をサポートしてあげることが必要です。

もちろん、いつもは一人でできるから①だけれど今日の課題は苦手な学習だから②、ということもあり得ます。

いずれにしても、高学年の子どもでも、②は最低でも週2~3日はやってあげてください。

低学年の子どもなら毎日①が必要な子どももいるかもしれません。

なぜか?

まだ子どもだからです。皆さんご存じのとおり、

  • 親が見ない子どもの多く、宿題サボります。
  • 親が見ない子どもの多く、すごく雑にやります。
  • 親が見ない子どもの多く、分からない問題、そのまま放置します。

基本的には、学習障害等の特別に支援の必要な子どもや欠席をしてしまった等の子ども以外の子ども全員が自力で行うことができる宿題を出すのが、担任の責務です。(できていない担任も多くいますが)

しかし、上記のとおり、人間(子ども)は、怠けたがる生き物ですから、必ず①か②をしてあげてください。

え~でも、そんな、平日に2日も、働きながら無理です!

という声が聞こえてきそうです。

何言ってるんですか?仕事と子ども、どっちが大切なんですか、と。

それくらい、親の責務ですよ。(ちょっとキツイ言い方ですが、担任時代は面と向かって言えなかったので、今言います!)

担任は、親が①をやっているのか、②をやっているのか、何もしていないのか、子どもの宿題を見れば簡単に全て分かります。

つまり、何もやっていない親(責務を果たしていない親)は、担任には完全にバレてると思った方が良いです。

NG② 子どもの宿題をチェックしすぎる

NG①は働きに出ている親が多いですが、このNG②は専業主婦が多いです。

NG①とは逆で、過干渉な親。

宿題を一緒にやってあげたり、終わった宿題を見てあげたりする、基本的にこれらのことは子どもにとって良いことです。低学年の子どもにとっては尚更です。

しかし、チェックしすぎるのはNGです。

チェックしすぎる、具体的に言うと、例えば漢字の書きとりで何度も何度も書き直させる親です。

もちろん、雑すぎるのは、書き直させた方が良いですよ、絶対。字が雑=学習に向かう態度が悪、だからです。

でも担任から見ていて充分に丁寧に書けている字をほんの少し字体が崩れているからといって、何度も何度も書き直させる過剰な完璧主義は、子ども、意味分からないですから勉強嫌いになりますよ。あと、あなたのことも。

子ども、宿題終わらせて早く遊びたいですもん。

大体、PCやスマホなど電子機器が発達している今の時代、大人になってから手書きの機会、著しく減ってきていますからね、我々の子ども時代と違って。

我が子をコピー機にでもさせたいなら別ですが、自分の思い通りに子どもを動かしたいだけでしょ!担任はそう思います。子ども、かわいそうだな~と。

大抵、そういう親はそんなことを指摘したらモンスターペアレントになるので、伝えませんけどね。

宿題を見てあげること、これは大変素晴らしいことですが、過剰な完璧主義を子どもに押し付けるのはやめましょう!

NG③ 図々しく量を増やせと要求する

個人面談等で、宿題を増やしてほしいという親が稀にいるのですが、よくよく理由を聞いてみると、

・ウチの子にとって宿題は簡単すぎてすぐ終わってしまうから。

・学力向上のために必要だから。

・私が課題を与えてもやらない、先生の言うことなら聞くから。

こんなところでしょうか。

全てちゃんちゃらおかしいので、ひとつずつ斬っていきますね。(あくまでも主観です)

>「ウチの子にとって宿題は簡単すぎてすぐ終わってしまうから」

⇒こういうことを言う親の子、どちらかといえば優秀な子です。勉強できる子です。確かにクラス全員がこのような子どもであれば、要求は正しいと思います。しかし、クラスには、(軽度も含めた)学習障害の子ども、習い事で忙しい子どもがある一定数いることがほとんどです。であれば、担任目線では、宿題をきちんと全員に提出させるためは、上のレベルの子どもに合わせるのではなく、下のレベルの子に合わせざるを得ないのです。公教育ですから。私は担任時代全員に向けた宿題のほかに、上のレベルの子どものために”やる気のある人宿題”をたまに出したりしましたが、教員は忙しいので毎日は厳しいです。また、これ知らない保護者多いんですが、文科省が出している宿題の目安として、「学年×10分」なんですよ。だから1年生なら10分、6年生でも60分です。短いんですよ。小学生段階だと、家庭学習の「習慣」を身につけることが大切ですから。

>「学力向上に必要だから」

⇒宿題宿題ってこの言い方世の中では広く流通していますけど、宿題の正式名称、「家庭学習」ですよ。つまり、「家庭」での学習ということ。教育基本法で定められた学習指導要領を隅から隅まで読んでいただければ分かりますが、家庭学習(宿題)、これ、公教育で義務化されていません。つまり、宿題出すのは先生の義務ではないということです。ではどうしてどこの小学校でも宿題があるのか慣例であり先生たちのサービスです。なぜそういう慣例が続いているかといえば、例えば、今日授業で扱った学習内容を宿題で出して定着を図る、みたいなことを行うことのは保護者には難しいけれど、担任なら可能だからだと私は考えています。保護者が宿題出すより、担任が出した方が効率が良いからです。言うなれば、担任のサービス精神でやっているだけなのです(ちなみに、多くの先生が勤務時間外・残業代ゼロでやっています)。ですから、本来、家庭での学習は家庭(親)が責任をもって行うべきなのです。既にサービスで宿題を出してくれている担任に対して、さらに課題を増やす要求なんて図々しい、私がそう考えます。それでも勉強させたいなら、塾にでも通わせてください。塾はそのためにあるのですから。

>「私が子どもに言ってもやらない、先生の言うことなら聞くから」

⇒それ、

・私(親)だから子どもが言うこと聞かない、

・先生(学校)だから言うことを聞く、

のではありませんよ。

親でも子どもに宿題とは別に課題に取り組ませている家庭はたくさんありますし、先生だからといって子どもたちに宿題無視されている先生たくさんいますからね。はっきり言うと、

あなたの子どもとの関係性が悪いだけです!

家庭学習、責任は親にありますので、各自責任をもって行ってください。

としか言いようがないです。担任に甘えないでください。

◆じゃあ家庭の責任で子どもに学校の宿題やらせなくてもいいの!?

という疑問が生まれますよね、必然的に。

えーっと、まあ、究極的にはそうなります。究極的には。

ただ、それをやると、子どもがクラスの中で浮きますし、もしクラスの中で宿題を出さなくて良い子どもがいたら平等性が担保できなくなるので、担任としてはクラス運営上好ましくないです。

そのあたり、良くも悪くも超曖昧なのが、日本の公教育なのです。(私はその曖昧さが大嫌いですが)

ですから、いきなりやらせない、じゃなくて、減らしてもらえませんという嘆願をすれば良いのです。

宿題を増やしてくれっていうのは図々しいですが、減らしてくださいっていうのは担任にとって”全然あり”です。

なぜなら、小学校の担任は全員がきちんと提出できるように宿題を出すこと(家庭学習の習慣を身につけさせること)が目的ですので。

ですから、我が子は勉強が苦手なので厳しいとか、習い事で忙しくて厳しいとか、きちんとした理由を述べたうえで、宿題を減らしてもらえるよう嘆願するのは良いと思います。

★まとめ

  • NG① 子どもの宿題を一切チェックしない
  • NG② 子どもの宿題をチェックしすぎる
  • NG③ 図々しく量を増やせと要求する

まとめると、

宿題(家庭学習)=家庭の責任。

これに尽きます。

同意も得ずに勝手に出してくる宿題、有難迷惑の家庭もあるかもしれませんが・・・。

以上、元教員トウマコの担任目線による、「小学校の宿題への保護者NG態度3つ」でした!

関連記事:元教員が教える、小学校担任から見て好感度が高い親~10選~

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コメント

  1. 1年の子を持つ母 より:

    担任が、宿題として課している国語の漢字ドリルという練習帳のようなものを、返却しないため、うちの子は、2日連続で、その宿題が出たので、連日、忘れもの扱いです。
    どうしても、ドリル・練習帳が家で見つからないので、再購入の手続きを願ったところ、他の先生から、担任の机にあった、そういう返事でした。謝罪一つありません。
    他にも、色々と連続するため、不信感が拭えません。20人のクラスで、そこまで先生に負担があるようにも思えず、宿題の量としても、1年で量も少ないですし、また間に入っている先生の価値観も分かりません。「先生」と言われているうちにおかしくなるのでしょうか。

    • 二児の父 より:

      先生なんて、今の全てのシステムに何の疑問も持たずに自分で考えることを放棄した人間の集まりです。何で?なんて思わない機械の集まりです。一般社会から隔離された世界での自分達のルールで生きてるので、そこの価値観になってるんじゃないですか?

      何が親の責務だ?下らない作業みたいな宿題出してやる気するわけがない。
      算数に至っては、教科書や指導要領でこうなってるからと、平気で間違いを教える。指摘しても、こう教えるようになってると答えをはぐらかす。

      でも、ちょっと熱が入れば体罰、親からも尊敬されもしない。威厳も権限も取り上げて、かつての聖職者から作業員にされた社会では仕方ないかもしれません。

      無駄な宿題出すな、その時間で自分で教えると言いに行こうかと考えてます。

  2. 元教員 より:

    先に書かれている人は、宿題チェックしか教員の仕事がないと思っているのかな。
    一日中授業を行い、子どもを家に帰すのは16時ごろ。定時が16時40分なのに。そこから次の日の授業準備を考え、教具を作る。もちろん国・算・理・社・英・体・図など様々な教科を・・・・。
    帰る時間は人によるけど、18時超えるのは当たり前。20時や21時まで残って分かりやすい授業をしている人もたくさんいます。

  3. とても忙しい親 より:

    学校の先生の仕事内容が大変なのは分かりました。しかし、自分が選んだ仕事ですよね?と
    思います。明日の授業の準備や行事のことを
    考え帰るのが遅くなる。就職する前に分かっていたことなんじゃないですか?それが大変だからって親と塾に頼りすぎではないですか?と思います。世の中には長い時間の夜勤の看護師、毎日12時間の工場勤務ザラにあります。自分で選んだ仕事だからやってます。親にも塾にも頼れません。もう少し生徒1人1人に向き合って授業をし、1人1人その内容を理解したかを知り教えていってほしいものですね。

  4. 大森保英 より:

    明日の授業の準備や行事のこと以外の作業を行い、帰るのが遅くなる。就職する前に分かっている可能性がほぼゼロと思われる一例について、Microsoft Bing AI chat powered by Chatgpt-4に尋ねた結果が、こちら。
    なお、これ以外にも、授業の、準備・行事以外の、作業・業務ご60くらいあります。詳細は、さいたま地裁判決および東京高裁判決を確認してください。今年最高裁判所が上告受理の申立てを決定で退けたので、高裁判決の内容で確定しています。

    Q:
    現金出納、集金その他現金を扱う作業は、教職員免許の要らない作業です。しかし、教諭が大抵やっています。このことは、殆どの大学で伝えられることはありません。殆どの場合、教育実習生に伝えられることはありません。

    就職する前に分かっていた人の割合を調べる方法はありますか。調査済の実データはインターネット上等では、現状、確認されていませんか。

    A:
    こんにちは、こちらはBingです。ご質問にお答えします

    教諭が現金出納や集金などの現金を扱う作業を行うことは、教育現場における一般的な業務の一つですが、教員養成の過程で十分に教えられていないという問題があります。このことは、教員の負担やストレスの原因になっていると指摘されています¹²。

    就職する前にこのことを分かっていた人の割合を調べる方法は、インターネット上で公開されているデータを探すことや、教育関係者や教員志望者にアンケートを行うことなどが考えられます。しかし、私が検索した限りでは、このような調査結果は見つかりませんでした。もしかすると、この問題に対する関心が低いか、調査が難しいか、調査結果が公表されていないかのいずれかの理由があるのかもしれません。

    教諭の現金出納作業に関する調査は、教育の質や教員の働き方改革にも関わる重要なテーマだと思います。教育委員会や学校現場では、この業務を効率化や簡素化するための取り組みが進められています³。教員養成の段階でも、この業務についての理解や準備を促す必要があると考えられます。

    ソース: Bing との会話 2023/11/21
    (1) 研究テーマ:学校徴収金会計業務における教員の負担軽減の …. https://www.mext.go.jp/content/20201120-mxt_zaimu-000011189_1.pdf
    (2) 全国公立小中学校事務職員研究会(学校と教職員の業務実態の …. https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/03/10/1351468_17.pdf
    (3) 3.業務改善に取り組む教育委員会における先進的な実践事例. https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/052/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/01/05/1365636_06_02.pdf

    • 雪餅 より:

      親が「宿題は」と言います,それで子供が「後で」言ったら親の態度が変わってしまってどうすればいいですか?私も悪い事としていると思います。これからどうしたら元に戻るのですか?