学力テストは採点基準が超曖昧!? 採点アルバイトが証言—『教育現場の7大問題』

先日は、大阪市長が学力テストを利用し、教員の人事評価に反映させる新制度をつくるとの方針が出したことも記憶に新しいです。

大阪市の吉村洋文市長は14日、全国学力・学習状況調査(学テ)などの結果を教員の人事評価に反映させる制度を今年度中につくると、市総合教育会議で明らかにした。

学テで人事評価「年度内に制度」…大阪市長(出典:読売新聞2018年9月15日)

◆曖昧でずさんな採点!?

そんな全国学力テスト、そもそも実は採点が曖昧でずさんではないの?――と警鐘を鳴らすのが、教育ジャーナリストの前屋毅氏です。

2018年6月に出版されたその著書『教育現場の7大問題』のなかで、採点アルバイトにインタビューを行っています。

採点アルバイトを経験したことのある女性に、「ひどい採点をしているというのはほんとうなのか」と質問したら、「ひどい」と即答で戻ってきた。「正解の基準が曖昧すぎる」との話を事前に聞いていたので、その真偽を重ねて質問してきた。

「ほんとうです。採点していて、愕然とすることが何度もありあした」

こで彼女に、「曖昧」を具体的に説明してほしいと頼むと、次のように説明をしてくれた。

「たとえば、数字で『26』が答の問題があったとします。もちろん26と書けば正解なんですが、問題を解いていくと、その一歩手前のところで『26/1(1分の26)』となります。もう一歩進めれば正解の『26』になるんですが、『26/1』のままで終えてしまう子がけっこういるんです」

「いったんは、採点現場の責任者から『26/1も正解と認める』との指示がでたので、それに従って私達は正解と採点しました。ところが、翌日になって急に『26/1は正解と認めない』と連絡があり、採点のやり直しになってしまいました。

「さらに翌日になって、『やはり26/1も正解として認める』となったりするんです。同じようなことが、ほかの問題についても、たびたびありました」

これが事実だとしたら、かなり酷いですね。

採点、ブレブレです。

恥ずかしながら私は、これまで学力テストの結果のニュースを見る際、「採点を疑うこと」はありませんでした。

しかし、これからは不正だけでなく、採点についても疑う必要があると思わせるに十分な証言です。

◆採点基準でコントロール?

この採点アルバイトの方、インタビューの最後にはこのように語っています。

「採点基準の厳しい甘いで点数が変わったりするので、そうすると平均点も変わってきます。前年より平均点が下がると、『学力が下がった』と文科省が非難されかねません。そうならないように、基準を変えることで平均点をコントロールしているんじゃないか、と採点アルバイト内では笑っていましたけどね」

(出典:前屋毅『教育現場の7大問題』問題1全国学力テスト「全国学力テストのおざなりな採点方法」)

この右往左往をみると、あながちないとは言えない気がします。

★まとめ

全国学力テストは、採点方法がずさんである可能性があります。

採点に評価基準が立ち入る隙のない問題作成が必至です。

また、この採点が曖昧でずさんという問題からも、大阪市の学力テストを利用して教員の人事評価を行うのがいかに愚策かが分かります。

以上、元公立小学校教員トウワマコトによる、学力テストは採点基準が超曖昧!? 採点アルバイトが証言—『教育現場の7大問題』でした!