公立学校教員は「休憩時間」の分、1か月15時間分の余計な仕事を増やされている

職員室では平気で無視されることが多い休憩時間。行事の準備や会議などが最初から計画に組み込まれていることも少なくない。

(ちなみに、私が小学校教員時代に休憩時間を取るよう職員会議で提案し却下された話はこちら

しかし、言うまでもなく、休憩時間は労働基準法で使用者側が労働者側に「必ず」与えなければならないとされているものである。

労働基準法第34条1項「使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない

これは労働者の健康・安全を守るために制定されている法律である。つまり、休憩時間を与えないことは、労働者の健康・安全を脅かす違法行為ということになる。

ただ、公立学校の世界においては、健康・安全のほかに、休憩時間が無視されることによる大きな弊害がもう一つある。

◆休憩時間の分、余計な仕事が増やされる

それは、休憩時間も労働時間とみなしている学校の世界では、「その時間の分、余計な仕事が増やされている」という弊害である。

現状、使用者側(教育委員会・校長)は休憩時間も教員に労働させる前提で仕事量を決めている。

休憩時間も働かせることができるという前提において、「あ、その時間もできるよね? まだできる時間あるよね?」ということで余計な仕事(例えば上からの調査・報告書が増えたり、学習指導案を書かせたりなど)が増やされているのである。

その時間は1か月で一体、どのくらいの時間なのか。

1日45分の休憩時間・1か月20日の勤務として、45分×20日=900分(15時間)になる。1か月、15時間分の余計な仕事が増やされている計算になる。

この15時間分の仕事は本来、きちんと労働基準法を守り、休憩時間が与えられていれば増えない仕事である。(この余計な仕事が、本当にしなれればならない授業の準備の邪魔をしているともいえる。)

今、社会の流れに乗って、あるいは人材不足の影響から、学校の世界でもようやく「働き方改革」といわれるようになってきた。

しかし、私から言わせれば、学校に必要なのはまだ「働き方改革」などではなく、その遥か手前に位置する『法令遵守』である。労働基準法を守り、休憩時間を必ず与える、まずはここからである。話はそれからだ。

◆人事委員会へ「措置要求」が可能

休憩時間の取得―――では、一教員の立場でできることはないのか。

ある。

私は現職時代は知らなかったのだが、都道府県に置かれた「人事委員会」という部署に対し、「措置要求」を行えば、人事委員会が学校長に是正勧告を行うようだ。

この人事委員会は、民間労働者における労働基準監督署のイメージで考えて良い。(警察権限アなどの強い権限はないようだが)

つまり、措置要求を知らなかった私のように、職員会議で戦う必要はまったくないのだ。

休憩時間無視を常態的に行っている学校長に対しては、容赦なく「人事委員会」に措置要求していけば良いのである。

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