ネットで誹謗中傷を受けても、相手の情報を開示するためには裁判が必要で、弁護士費用は(貧乏な私には)高額です。何とか弁護士に頼らず、自力でできないものかと思い、開示請求命令を行ってみました。他の方にも参考になるかもしれないので、記録しておきます。
まず、発信者情報開示命令事件に関する裁判手続の流れは、以下のとおりです。
- X(旧Twitter)への発信者情報開示命令申立て・(提供命令申立て)
- プロバイダへの発信者情報開示命令申立て・消去禁止命令申立て
- X(旧Twitter)に対し、プロバイダへ開示命令の申立てを行ったことの通知
- X(旧Twitter)・プロバイダへ発信者情報開示命令の審理
- 発信者に対する損害賠償請求
本記事では第1ステップの「X(旧Twitter)への発信者情報開示命令申立て・(提供命令申立て)」について、やるべきことをまとめていきます。
①証拠の保全
まず、証拠の保全です。当該の投稿をスクショします。
1.当該の投稿
その際に気を付けることは、投稿、アカウント名、日時、URLを一枚に写すことです。
スマホでは無理なのでPCを使ってスクショします。
2.自らのプロフィール画面
これは申立を行う人=被害に遭ったアカウントの中の人、の証拠になります
②申立書の作成
東京地方裁判所のホームページに行くと、11. 発信者情報開示命令申立てというページがあり、ここに申立書のひな形が用意されています。
4つひな形が用意されていますが、Xはログイン型のSNSなので、【申立書記載例3】を選択します。
※ただし、2024年9月時点において、「提供命令」についてはXが対応していないため、提出しないほうが早く裁判が進むと裁判官に言われ、私はそうしました。「発信者情報開示命令申立書のみ提出しました」
基本的には、このひな形に沿って書けば問題ないと思います。
1点だけ、「当事者目録」というページがあり(ひな形の5ページ)、そこについては説明します。
ここは当事者の連絡先を書くところなのですが、Xの住所は、
「X Corp.アメリカ合衆国、ネバダ州、カーソン・シティ、サウス・カーソン・ストリート701、STE200」
です。
注意点としては、ツイッタージャパンではありません。
そして、送付先として、
「東京都千代田区霞が関三丁目2番5号霞が関ビル4階隼あすか法律事務所
日本における代表者 多田 光毅」
です。
自らの連絡先とこの2つを記載すればOKです。
③管轄上申書の作成
同じく自力で対応した方のこちらのnoteが参考になります。
④登記事項証明書をとる
東京地裁のページの添付書類の記述にもあるとおり、登記事項証明書が必要なので、近所の法務局で手に入れます。600円でとれます。
Xは外国の企業なので、ネットの古い情報では本国の登記を買わなければならないとの記述もありますが、今は日本でも登記が済んでいます。
会社法人等番号は、
「0100-03-040669」
です。
私は法人番号が分からず困ったのですが、こちらのページに記載があり、助かりました。
会社名は「Xcorp.」、住所は、「X Corp.アメリカ合衆国、ネバダ州、カーソン・シティ、サウス・カーソン・ストリート701、STE200」です。
これを法務局の用紙に記入して出すと、登記事項証明書を出してくれます。
⑤郵送or東京地裁民事9部へ
私は急いで出したかった(Xの保存期間は3か月程度、アカウントが消去されていると1か月程度だそうです)ので、東京地裁に直接出しに行きました。
その前に、郵便局で「1000円の収入印紙」と「レターパックライト370円(ホームページに記載はないですが、Xに送付するために必要と書記官に言われました)」を買いました。
提出翌日、書記官・裁判官から連絡があり、事件番号や第1回期日を教えてもらいました。
⑥Xcorpに証拠説明書等を送る
「申立書」については東京地裁からXcorpに送られるようなのですが、それ以外の「証拠説明書」「証拠」についてはこちらから送らないといけないそうで、郵送しました。
★まとめ
以上が、第1ステップの「発信者情報開示命令申立」です。
かかった費用は、ここまでのところ、
- 登記事項証明書600円
- 収入印紙1000円
- レターパックライト370円
- 印刷費
- 郵送費or交通費
約3000円です。
弁護士に頼んだときの費用を考えれば、手間はかかりますが、かなり安いはずです。
自力でできるところまでは自分でやろうと思っています。
※本記事は2024年9月時点での情報であり、情報が古い可能性、また素人のため誤情報が含まれている可能性があります。ご了承ください。