文科省が現場教員に、最も負担に感じる業務は? という質問を行った調査があります。
その質問に対し、現場教員は、「国や教育委員会からの教育委員会からの調査やアンケートへの対応」と答えています。
教職の現場で働くとよく分かりますが、現場が仕事しやすいように働くのが国・教育委員会ではありません。
自身の保身のために不必要なアリバイづくりを現場教員に押し付けるのが、国・教育委員会です。
今回は、そんな国・教育委員会に対して、匿名だからこそ言える現場教員の本音をまとめます。
では、「学生の皆さん、それでもあなたは教員になりますか?~現場教員のガチ本音まとめ・国・教育委員会編~」です。
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◆現場教員の本音は?
仕事のプロが本音を明かす hone.bizでは、国・教育委員会について、匿名だからこそ言える現場の教員たちの本音が記録されています。
今回は、その中の一部を5つに分けて、挙げていきます。
1.施策、調査について
まずは、教育委員会の施策や調査についての本音です。
教委や文科省が現場のやる気をなくす施策を次々に出してくる。(30代男性教員)
現場のことを考えない偉い人たちの教育政策。(50代男性教員)
典型例が「英語」。英語をやることに決めたが英語を話せる外国人を雇うのは自治体に丸投げ。結局、担任が教える羽目になる。(50代男性教員)
教委や管理職からの締め付けなどがひどい。(40代男性教員)
国や県は何か施策をするたびに「あれをやったか」「
これをやったか」と調査を要求します。議会対策のようです。 いちいち真面目に答えていたら、学校はパンクします。 提出書類はすさまじい量になります。(40代男性教員) 教育政策がころころ変わり、そのたびに右往左往するところでしょ
う。そしてだれも責任を取らず、 すべて現場に丸投げをしています。腹が立ちますが、 どうにもなりません。(40代女性教員) 学校教育制度が時代にマッチしていないところ。(20代女性教員)
例えば、ほぼ全員が無駄だと思っているのに市の規則で決まっているため勝
手に削減したり合理化したりできない。(20代男性教員) 学力向上のウソ。(50代男性教員)
ここ数年、学力テストを自分の成果のように誇るあほな知事が多く
なり、さらに余計な仕事が増えつつある。(40代男性教員)
2.教材研究の時間について
次に、教材研究の時間についての本音です。
学力と言っておきながら、教材研究の時間を取らせない忙しさ。(40代男性教員)
教材研究や授業の質を高める時間の確保は全くしてくれません。(40代女性教員)
「学力向上」「授業力アップ」等々掲げながら、教材研究や授業準備のための時間が全く確保されていない。(30代男性教員)
各書類・会議・出張報告・研修報告が多すぎて授業の準備が出来ません。(30代女性教員)
武器弾薬も補給せずに素手で戦えといっている旧日本軍と同じ。(50代男性教員)
管理職、教育委員会、さらに上の方々が勤務状況を把握し改善する気がない。(20代男性教員)
3.研修について
次は、研修についての本音です。
教員の世界って研修制度がまるでなっていない。(50代男性教員)
基本的に教師の世界は建前だけで進んでいる。官製研修は形だけ「やってますよ」というもので、意味がないものがほとんどである。しかし開催する側もくだらない会議や研修をやめようとしない。彼らはたかだか3年程度の腰掛仕事だから、前年通りを踏襲して自分のところが無事に終わればそれでおしまい。という感覚である。これがもう、延々30年以上も続いている。(50代男性教員)
「各学校一人以上人を出せ」という集まりもある。「○○発表会」とか講師として誰それを呼んだからとかで、人が集まらないから教師に動員をかけるというバカバカしい「研修」である。参加者の半数は寝ている。が、感想には「役に立った」「勉強になった」とかのウソを書く。教師の研修なんて、大体はそんな感じで、会場を出れば内容なんかすぐに忘れ去る。実践に生かされることはない。その程度の代物をさも一生懸命にやっているフリをするのが教師の世界だ。虚構に満ちて中身がない。が、それを指摘するとブラックリストに乗り、叩かれるので注意が必要だ。(50代男性教員)
バカげた初任者研修制度。民間では採用されてから1か月とか3か月の研修期間があり、それから適性を見たうえで現場配属するのが普通だろう。しっかりした企業であればあるほど、そういうシステムを採っているようだ。ところが教師は大学出たての若者が全く研修を受けずに4月1日に勤務校に配属され、4月5日には子供たちの前に立つ。翌週には授業参観があって親の前で話をしなければならない。初任者研修が始まるのはそれからで、自分の自治体なんかGW明けからである。(50代男性教員)
4.予算配分について
次は、お金についての本音です。
教育界では「教育は国の根幹で大事だ」と言いながら、最も金をかけていないのである。(50代男性教員)
政府が教育を重要視していないからである。本当に大事なことならば、予算を優先して配分できるはずである。(30代男性教員)
政治家や役人は「教育は国の根幹」とかほざいているが、本気でそう思っていないのは、予算配分からも明らかである。(40代女性教員)
5.その他
最後に、その他の国・教育委員会に対する本音です。
社会の情報化に完全に乗り遅れている。未だに手書きの書類がいっぱいあるので、事務処理が面倒。(20代男性教員)
教育委員会も無能だし、上司もくさいものに蓋をするという体質なので、そのしわ寄せが教師の質を低くしている。(40代男性教員)
現場は自転車操業の行き当たりばったり、泥縄式でその日暮らし、やればいい、終わればいいの適当主義がはびこっています。(50代男性教員)
例えば就学援助の仕事や未納の取り立てなど教師の仕事ではない。行政か事務の仕事であるべき。(50代女性教員)
指導主事もパワハラに等しい暴言を吐く。若い教師を「指導」すると称しながら。(20代女性教員)
教育委員会も「教育はサービス業」とか「教師は24時間365日教師だ」とか平然と言う。(50代女性教員)
教師の善意を逆手に取り、中央教育審議会や文科省を筆頭とする連中は、ブラック企業顔負けの業務量を押し付け、我々の意欲を削ぎ取ってきた。(50代男性教員)
教育委員会・司法は、公立学校教員のサービス残業について「自発的な残業」との見解を示しています。つまり、働きすぎによって体調を崩すのは自己責任。(20代女性教員)
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★まとめ
いかがでしたか。
国や教育委員会は、現場のことを考え、サポートしてくれる存在ではないということがお分かりいただけましたか。
以上、元教員トウワマコトによる、「学生の皆さん、それでもあなたは教員になりますか?~現場教員のガチ本音まとめ・国・教育委員会編~」でした!