我が子の発達障害の可能性を伝えられて、担任を攻撃し始める保護者の思考を元教員の私が3つ類推してみた

投稿者: | 2017年3月6日

前回の記事で、攻撃されるリスクがあるために担任が保護者に子どもの発達障害の可能性を伝えることを自重している実情について、お伝えしました。

今回は、私が実際に小学校教員時代に担任を攻撃していた保護者たちの言動から、なぜそのような思考になってしまうのかについて、類推してみました。

では、元公立小学校教員による、「我が子の発達障害の可能性を伝えられて、担任を攻撃し始める保護者の思考を3つ類推してみた」です。

 

1.事実を受け止めきれない

現在小中学生の約6%が発達障害の可能性があるといわれているので発達障害の子どもというのは決してレアケースではないのですが、それでも親にとって我が子が発達障害というのはかなりのショックなようです。

「障害」という言葉にショックを受けるのだそうです。

我が子の将来や今後の子育てについても不安になるので、その事実をなかなか受け入れられない親もいます。

なかには、担任を攻撃し始める親もいます。

これは、

本当は我が子は発達障害ではない⇒我が子を発達障害扱いする担任はおかしい、許せない⇒担任を全否定し、攻撃することで我が子は発達障害ではないということにする』

という思考の流れで、自己を防衛するために攻撃を行うのではないかと私は類推しています。

 

2.担任の指導のせい

日頃から担任の指導に対して快く思っていない親に多いパターンですが、担任の悪い指導のせいで発達障害的症状が出ているだけ、と解釈する親もいます。

どういうことかというと、例えば、

  • ADHDと伝えられた親⇒担任の学級経営や指示が下手だから、注意欠陥・多動状態になっているだけ
  • LDと伝えられた親⇒担任の授業、説明が下手だから我が子が理解していないだけ

と考えるのです。

これがやっかいなところはあながちすべて間違っているわけではないところです。

確かに、担任の指導が下手だと、子どもの発達障害的な傾向を引き出してしまう場合があります。逆に、レベルの高い担任だと、そのような傾向が抑えられることもあります。

ですから、親にとっては去年の○○先生のときは問題行動などなかった、今年の××先生の指導に問題があるだけ、という思考になるのも無理はありません。

しかし、翻って担任の立場から見ると、たとえその担任のレベルが低くても、他の大多数の子どもたちは発達障害的な症状は出ていないわけです。

であれば、集団からその子どもをみたときに、その子だけが多動・注意欠陥であったり、学習理解が低かったりすれば、担任としては「この子は発達障害の疑いがある」と判断せざるを得ないのです。

しかし、親は元々担任に対して不信感があったり、前年の担任と比較してしまったりすることで、結局、

『担任のせい』

と片づけてしまうケースが少なくないように私は感じます。

そして、「担任のせい」であるので、そこからクレーム攻撃が始まることになってしまうのです。

 

3.子育てを否定された気持ちになってしまう

子育てが悪いせいで発達障害になるということはないというのが、現在の発達障害をめぐる研究の流れです。(環境が悪いせいで2次的に悪化することはあり得る)

しかし、そのような知識があまりない親は、我が子が発達障害と聞くと、自らのこれまでの子育てを否定された気持ちになってしまったり、自らを責めてしまったりするケースも少なくないです。

そしてなかには、冷静さを保てなくなって、

『担任=私の子育てを否定する悪者』

という思考が芽生えてきて、攻撃に転化されるケースもあるように感じます。

担任は決して子育てを否定しているわけではないし、研究でもそのような結果が出ているにもかかわらず、このようになってしまうのはとても残念なことです。

 

★まとめ

全員が全員、上記のような親ばかりではありません。逆に、すんなりと発達障害を受け入れる親もいます。こういう親は、自ら発達障害について勉強したり、専門家に話を聞きに行ったりして、具体的に発達障害の子どもにとって良い対応を行うことで、子どもの症状の和らげていました。また、担任とも良好な関係を維持し、協力体制を整えます。

とはいえ、念のために記載しておきますが、担任が伝達可能なのは、あくまでも発達障害の「可能性」「疑い」のレベルまでです。本当に発達障害か否かの最終的な判断は医師が行いますので、担任の言葉を全て鵜呑みにする必要はありません。

しかし、担任は集団のなかでの子どもを見ているので、耳を傾ける必要はあると私は思いますし、意にそぐわないことを伝えられたからといって、攻撃し始めるのは言語道断だと思っています。

以上、元公立小学校教員トウワマコトによる、「我が子の発達障害の可能性を伝えられて、担任を攻撃し始める保護者の思考を3つ類推してみた」でした!

関連記事:元教員が教える、担任が保護者に発達障害の疑いを伝えることを自重する3つの理由


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