今年の夏は例年に増して暑く、国連総長は「沸騰化の時代」と警告したほどでした。
そんな酷暑のなか、学校で体育の授業中に熱中症で児童生徒が病院に緊急搬送されたニュースが相次ぎました。
18日午後4時ごろ、大津市大将軍1丁目の瀬田北小学校で、体育の授業中に6年生の男女3人が体調不良を訴え、熱中症の疑いで救急搬送された。市消防局や同小学校によると、3人は6時間目(午後2時35分~3時20分)に体育館で、20メートル走を繰り返して往復し持久力を測る体力テストを受けていた。頭痛などの症状があったが、いずれも軽症という。
消防や熊本市教育委員会によりますと、6月13日(火)午後3時すぎ、熊本市西区二本木にある古町小学校の教員から「体育の授業後に複数の児童が体調不良を訴えている」と119番通報がありました。頭痛や吐き気を訴えたのは5年生の男女10人で、そのうち8人が病院に運ばれましたが、いずれも意識はあるということです。直前の体育の授業では、児童25人が体育館で体力テストを行っていました。6月13日熊本市では、午後3時ごろに最高気温28.2度を記録。湿度が高かったため、蒸し暑くなりました。
RKK熊本放送『熱中症か 体育の授業中『児童8人を救急搬送』 古町小学校から119番通報 熊本・西区』(2023年6月13日)
23日午後4時前、長野市の真島(ましま)小学校の体育館で、授業中の6年生の女子4人と男子1人の合わせて5人が体調不良を訴え、病院に運ばれました。長野市教育委員会によりますと、このうち2人が軽度の熱中症と診断されたということです。体育館では当時、体力テストの一環で、持久走=シャトルランが行われていました。体育館の熱中症の指数計は、室温25度、湿度60パーセントで、熱中症の注意レベルにあたるということです。
30日午前11時35分ごろ、大阪市天王寺区の市立高津中で、シャトルラン中に生徒が体調不良を訴えたと女性教員から119番があった。中学1年の男女約20人に熱中症とみられる症状があり、いずれも軽症。市教委によると、当時は体育の授業中だったという。大阪管区気象台によると、大阪市の午前11時半時点の気温は28.4度で、湿度は80%だった。
◆体力テストの締め切りが7月
いずれの場合も共通するのが、
- 5~6月に
- エアコンのない体育館で
- 体力テストの
- シャトルランの最中に
熱中症になったという状況です。
なぜ5~6月に行われているかというと、体力テストの提出締め切りが7月だからです。
そしてなぜ体育館で行われているかというと、音源を流す必要があるからです。
栃木県教委がYoutubeにやり方を説明している動画がありましたので載せますが、ここにあるように、20mの距離を走る本数を記録する競技で、徐々に短い時間でクリアしなければならなくなります。
そのため、良い記録を出そうと思うと、心肺的にかなりキツくなります。
一昔前までは5~6月はそこまで暑くなかったので問題なかったのだと思うのですが、ここ数年は違います。
ですから、そろそろ、この時期に灼熱の体育館でシャトルランをしなくてはならない状況を改善するべきではないでしょうか。
◆シャトルランをやめるべきでは
- 体力テストからシャトルランを削る(他の持久力を測るやり方に変える)か、
- 校庭で実施する(音源の問題で厳しい?同時期に運動会の練習もあり厳しい?)か、
- 体育館にエアコンを設置するか、
等々、水分をこまめに取るみたいな小手先の対応でなく、抜本的な対策が必要かと思います。(小手先の対応しかしなさそうです)
私は個人的には、シャトルランを体力テストから削ってしまうのが予算もかからず一番現実的なのかなと思います。
命が失われてからは遅いのです。
政治家や文科省が判断して決定すれば、来年度の体力テストからでも変更が可能です。
灼熱の体育館でシャトルラン、即刻やめるべきだと思います。