教員も保護者も運動会のダンスに完成度を求めるな

低〜中学年で行われる運動会のダンス。

練習では教員から怒号がとぶことも少なくない。

各学年で校庭の割り当てが決まっており、限られた時間で技やダンスを完成させなければならず、また、保護者からの期待も高いからだ。

しかし、そもそも、子どもたちのダンスに完成度を求めるのはどうなのだろうか。

◆保護者は本番当日しか見られない

言うまでもなく、体育の授業で、子どもたちはプロのダンサーを目指して練習するわけではない。

子どもたちは、技やダンスを習得する過程において、「努力」「協力」などを学ぶのであって、技やダンスの完成はあくまでも手段であり、目的ではない。

しかし、問題は、保護者にとっては、本番当日しか見られないことだ。

本番当日しか見られないから、「技の完成度が高かった」「隊形移動が美しかった」など、ダンスの完成度に注目がいってしまうのである。

しかし本来は、練習スタートの時点と本番当日の伸びしろに着目すべきだし、その過程で何を学べたかが大事なのではないだろうか。

私は教員には、子どもが踊る場所だけでなく、本番当日しか見られない保護者のために、練習の参観日を設けたり、このあたりの説明(練習当初の状況等)をしてあげたりすることが必要だと私は思う。

◆保護者も意識の変化が必要

一方、保護者の方も子どもや教員に対し、アンケート等で完成度を求めることをやめるべきである。

保護者は本番当日しか見られない。本番当日しか見られないから本番当日で判断するしかない。だから、派手な技や複雑な隊形移動を目にすると、「すごい!」となるのも分かる。

だが、先に述べたように、大切なのは技やダンスの完成度などではなく、いかに子どもが成長したかであり、そこに着目すべきなのである。

保護者の意識も変わる必要もある。

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